第12話 ダイヤモンドと中世でその6
再試合の日まで、なずなとダイヤモンドは前回と同じように騎士双方とも落馬するように入念に練習した。サイラスはダイヤモンドを引いてくることになってくる手はずになっている。それに、ダイヤモンドは嫌々妥協した。直接触れなければ大丈夫なのだから。
当日、予定通り双方とも落馬して、サイラスとダイヤモンドが歌い始めると、最初はざわついていた騎士たちはだんだん聴きいりはじめた。
「カレントの娘」
昔、昔、カレントの村に一人の娘がいた。
娘は毎日、一頭の銀色の美しいユニコーンの世話をした。
銀色のタテガミをブラシでとかしながら、優しく歌を歌った。
娘の美しい歌声は村中に響きわたり、人々はうっとりと聴きいっていた。
ある夜、娘は夢を見た。
「私はユニコーンだ。お前の歌声に魔法が込められている。あと千日歌を歌っておくれ。千日たてば私は人間に生まれ代われるのだ」
娘はユニコーンのために千日歌を歌うことにした。
ところが千日目の前日、王さまの行列が通りかかり、王さまは娘の歌声に足を止めた。
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