第3話 子ユニコーンとその3

シューっとドアが開いた。


「なずな。体をふいて~」


「黄色ボタンを押すと乾燥するのに。」


「だってどれだかわからないから適当に押してシャワー浴びたんだ。ふいてよ。いつもはママがふいてくれてたんだよ。ママがうぇ~ん」


「わかった。ふいてあげるから泣かない」


なずなはバスタオルを持ってダイヤモンドをふきはじめた。


「これでよし。キレイになったよ」


「ユニコーンは美しいって決まってるんだい。僕は角もたてがみもまだないけど、大人になると虹色の美しい角と銀色のたてがみが生えてくるんだ」


「わかった。わかった。ところで、ユニコーンは群れで暮らしてるの?また戻ってくることはあるの?」


「いったん、群れからはぐれたユニコーンを探しに戻ってくることはないんだ。今は狩りの季節だしね」


「狩り?ユニコーンが狩りをするの?」


「そう、僕たちが夏の間、獲物を狩るんのだ。そして、冬は嵐が多いから、家にこもるんだよ」

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