第52話 翼人と龍とその16

「なんか恥ずかしいですね。では、服脱ぎます」


部屋には、ダイヤモンドだけいた。なずなは、リンが少年とはいえ、異性なので、立ち会わないで、タイムマシンの改良をしている。アレキサンドライトは、自室に閉じこもっていて、サイラスは、外出中だ。


リン・イワサキが、シャツを脱ぐ。白い肌には、翼の痕跡のかけらもなかった。


ダイヤモンドは、よく見ようと、リンの背中にちょっとよる。


「翼ないね、どうして?」


「僕は、人間の男と翼人つばさびとのハーフなんです。なので、僕の場合、翼は、集中すると出せるんです。静かにお願いします」


ダイヤモンドが、かたずを飲んで見守っていると、リンは眉間にシワを寄せて集中し始めた。


しばらくすると、肩甲骨のあたりに二枚の白い羽根が出てくる。それは、ぐんぐん伸び、後から、たくさんの白い羽根が生えてきた。


羽根は、弓なりになっていき、大きな白い翼となる。


「ほー!すごくキレイだね。見せてくれてありがとう 」

 

「いえいえ、龍は目立つので、夜になってから見せますね」

 

「うん、今、3時だから6時頃には、見れるよね?」


「はい!待ってて下さいね。その間、僕の一族の話をなずなさんも呼んで、語ります」


「そっかあ、なずな呼んでくるね」


ダイヤモンドは、ドアを開けて、なずなを探しに行った。 




 

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