第44話 翼人と龍とその8

「僕にも見せて!」


ダイヤモンドが、なずなと一緒に紙をのぞき込む。



「どういう意味かしら?」

なずなは首を傾げた。


「うん、わかんないね」


ダイヤモンドが同意した時、トントンと勝手口のドアをたたく音がした。


「パン屋のドーラかしら?」


なずながドアを開けると、茶色髪を おさげにした大柄な女性、ドーラが買い物籠にパンを載せて入ってくる。


「おはようございます。なずな様、ダイヤモンド様、あら?サイラス様はまだ起きてらっしゃらないんですね。パンをどうぞ!」


ドーラは籠から焼きたてのパンを3つ取り、テーブルの上のパン皿に置いた。そして、いつものおしゃべりをしようと椅子に腰を下ろした。


「おはよう、ドーラ。これわかるかしら?」


ドーラが紙を受け取った時、紙に火がついて燃え始める。


「あっちち!」


ドーラの手から離れた紙はテーブルに落ち、テーブルに焼け跡を残して燃えてしまった。


「あらー、確か!せんねんのあかしにひかりがおちるときだったよね?なずな~」









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