第42話 翼人と龍とその6

「なずな~、最初から話すね。お手伝いロボットのナンシーがね~…」


ドンドン


台所の勝手口のドアをたたく音がした。


「誰かしら?ダイヤモンド、待ってて。後で聞くわ」


なずなは、食堂と続き部屋になってる台所のスイングドアを開けて出て行く。


そのなずなにダイヤモンドの大声が響く。


「うん、早くね。それに温めなおしてるシチューが冷めるからね~」


「ダイヤモンド、のぞき見は行儀悪いですよ。」と、吟遊詩人のサイラスはリュートの手を止めて言った。


ダイヤモンドは、そっと、席を立ってスイングドアの隙間から、勝手口をのぞこうとしていたのだ。


「ひ・み・つ!」


ダイヤモンドは、サイラスにウインクした。


そして、なずなが戻って来たとき、なにくわぬ顔で特製の椅子ですましている。


「なずな~おかえりー!それでねー・・・」


「ちょっと待って!」


なずなの後ろのスイングドアから入って来て、泥棒さん、いや、リン・イワサキが、自己紹介をする。


ダイヤモンドも自己紹介しながら、(そういえば、3分で戻って来るって言ってたけっけ)と考えていた。


「リンくんの話によると、タイムマシンをお手伝いロボットたちの捜査に貸してほしいとのことだの。リンくんと龍だけじゃ、お手伝いロボットたちの痕跡もダメだったって。それで、詳しい相談するから ダイヤモンドは自分の部屋へ行ってて!すぐシチュー持ってくから」


「またぁー、なずなのすっとこどっこい!僕泣くからね~一晩中泣くからね。なずなの言うことなんてもう聞かない」


ダイヤモンドは、泣きながら、部屋を出て行った。




 

 






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る