4-7
季節は少しだけ移ろい、そろそろ梅雨の雨音が聞こえてこようか、という時期だ。
今日は、思い切り晴れてるけど。
千尋さんによる特訓は、主に筋力トレーニングと肉体改造を中心に行われ、俺は未だに、命気というものを扱っているという自覚すらない。
しかし、まぁそれは、焦っても仕方ないことだろう。
まず、師匠である千尋さんが、まったく焦っていないのだから、俺だけ空回りする必要もない。
というわけで、俺は千尋さんから与えられたメニューを、これまで黙々とこなし続けていた。
千尋さんが俺のために考えてくれたトレーニングメニューは、短期集中型の詰め込み式ではなく、かなり余裕を持ったスケジュールになっている。
そのため、空き時間も作りやすく、俺は千尋さんに命気を習いながら、その合間に
今は、習得が遅れている命気の方が中心のメニューなのだが、おかげで最近は、放課後にも自由な時間が、少しだけだが、取れるようになっていた。
「さぁて、これから、どうしよっかな……」
そして、今はまさに学校も終わって放課後、久しぶりに完全に空いた、この貴重な時間を、一体どう使うべきかなのか。俺は机から立ち上がる前に、一つを大きく伸びをして、のんびりと考える。
「……うん?」
ホームルームが終わった直後、即座に教室から出ていく
俺が命気の特訓に入ってから数週間、ということは、マジカルセイヴァーのみんなが、破壊王獣レオリアに惨敗した一件から数えても、もう数週間以上経ったというわけだが、どうやら、
桜田や
いつもなら、俺と軽口を叩きあい、桜田や水月さんのことをからかっている赤峰が、ここ最近は口数も少なく、放課後も誰とも一緒に帰ろうとせず、すぐに教室から出て、どこかに行ってしまう。
……。
……そうだな。そうするか。
俺は心の中で、今日、自分がやるべきことを決めると、先程教室から出て行った赤峰を、急いで追いかけるのだった。
「お~い! 赤峰!」
「……十文字?」
俺が赤峰に追いつけたのは、もう校舎から外に出て、校門の近くだった。
後ろから声をかけた俺に、赤峰が足を止めて、こちらに振り返ってくれる。
「ちょっと付き合え!」
「え? あっ!」
俺は赤峰に駆け寄り、その腕を掴むと、そのまま強引に赤峰を引っ張って、帰りの生徒で賑わっている校門から、飛び出した。
「ちょ、ちょっと! 突然なによ!」
「いいから! 俺に付いてこいって!」
掴んだ赤峰の腕、意外と細いんだな。
なんて思いながら、俺は、目的の場所へとひた走る。後ろで赤峰が、なにやら文句を言ってるが、今は無視だ。
彼女の愚痴は、この後たっぷり、聞くとしよう。
「それで、なんであたしとあんたが、喫茶店でお茶することになってんの?」
オレンジジュースをストローでかき回しながら、赤峰がジト目で俺を睨む。
「まぁまぁ、ここは俺が奢るからさ、機嫌直せよ」
俺はコーヒーを飲みながら、余裕の態度を崩さない。
いや、内心は、結構ドキドキしてるんだけどね。
ここは、駅と学校の、丁度中間地点あたりにある、小さな喫茶店だ。
学校帰りの学生を狙った店で、実際その狙い通り、放課後なんかは、うちの学校の生徒で、よく席が埋まっている。主に、幸せそうにイチャイチャしてるカップルが、多いんだけど。
「いや、なんか最近、お前の様子がおかしかったからさ。ちょっと、話でも聞いてやろうかと思って」
「うわっ、なに、その上から目線。かなり感じ悪いんですけど」
赤峰が、露骨なくらい不機嫌そうに、そう吐き捨てると、険しい顔してジュースを飲んだ。
「まぁまぁ。なんか悩んでることでもあるなら、この俺に話しなさいって。そういうのは、溜めこむよりも、誰かに話した方が、楽になったりするもんだろ?」
「本当に、誰目線なのよ、十文字……」
赤峰が、心底呆れたような表情を浮かべ、喫茶店のテーブルをジッと睨んでいるが、そんなことで怯んでられない。
やるべきことは、もう決めたからだ。
「でもな赤峰、最近のお前の様子、本当におかしいぞ? 俺はともかく、桜田たちとも、まともに喋ってないだろ?」
「……別に、あんたには関係ないじゃん」
「関係ないことあるか。俺は知り合いが、まるでこの世の終わりみたいに暗い顔してるのに、それをほっとけるほど、薄情な人間じゃないつもりだぞ」
「……お人好しだね」
赤峰はようやく、少しだけ笑うと、手元のオレンジジュースをもう一口、ちびりと飲んだ。
「……ねぇ、十文字」
「うん?」
オレンジジュースをちびちびと、半分くらい飲んだ後、赤峰はようやく、その重い口を開いた。
「絶対に勝てない相手と、戦わなきゃいけない、ってなったらさ、あんたなら、どうする?」
「それって、空手の話か?」
「まぁ……、そんなとこ」
嘘だ。と、俺は分かっているが、それを口に出すわけには、いかない。
赤峰がマジカルセイヴァーの一員だと知ってから気が付いたが、おそらく、彼女が放課後習っているのは、空手ではない。確かに空手をベースにはしているが、もっと実戦的な戦い方、正義の味方マジカルレッドとしての戦い方、つまり、戦闘訓練を受けているのだろう。
「俺なら取りあえず、特訓でもするかな」
「だよね……」
ここしばらく、レオリアに完膚なきまでに負けた後から、赤峰は放課後になると、すぐにどこかに消えていた。多分、あれからずっと、これまで以上に厳しい特訓を受け続けているのだろう。
そして、彼女は、それでもなお、そこまでしてもまだ、思っているのだ。
痛感しているのだ。絶望しているのだ。
破壊王獣レオリアには、勝てないと。
だから、彼女の心の曇りは、未だに晴れないのだろう。
「もしくは、逃げるな」
「逃げる……、のは、ちょっと無理かな」
まぁ、そうだろうな……。
ここで逃げると言えるのならば、そもそも赤峰は、正義の味方なんて、やってないだろう。
彼女が一体、どんな理由で、マジカルセイヴァーとして戦っているのかは、俺には分からない。
だが、実際に正義の味方として戦場に立ち、その身を削り、力無き者のために戦ってる以上、おそらく彼女も、覚悟しているのだ。
自分の命を、
「それじゃ、そうだな……。俺なら、周りのみんなを頼るかな」
「……それは」
「それはできない。なんて、言うなよ」
俺は、赤峰の言葉を遮って、少し強い口調で、彼女の目を真っ直ぐ見ながら、そう言い切る。
赤峰は、こう見えて責任感が強いのだ。
マジカルレッドは、マジカルセイヴァーの中で、唯一の格闘家である。
普段は彼女が、他のメンバーの盾となり、率先して最前線で戦うのだろう。
そんな彼女が、同じく格闘で戦うレオリアに手も足もでず、その結果チームは、あっさりと敗北してしまったのだ。
おそらく赤峰は、それを悔いている。
自分の役割を全うできず、仲間に迷惑をかけてしまったと、後悔している。
「あのな、赤峰。絶対に勝てない相手、なんて自分が思ってるんなら、そんな奴に一人で立ち向かうなんて、どう考えたって無理に決まってるだろ?」
だから、誰かが教えてあげなければならない。
そんなことは、別に一人でなんとかしなくてはいけないことでは、ないのだと。
「最近、俺も思ったんだけどさ、人間って一人じゃ割と、なにもできないんだよ。新しいことしようとしたり、壁にぶつかった時なんかは、特にさ」
これは、本当だ。
今までの常識をはるかに飛び越えた、未知の世界に飛び込んでしまった俺には、よく分かる。
人は、基本的に、自分の知っていることにしか、対応できないのだ。
少なくとも俺なんかは、自分一人でなんでもやれると思えるほど、才能に恵まれてはいない。
「だから、俺は、そういう時には、思いっきり、遠慮なく、容赦なく、誰か他の人に頼ることにした」
「でも、それじゃ周りに迷惑かけちゃうし……」
「いいんだよ。迷惑なんて、いくらかけたって」
前を向くことを忘れ、下を向いてしまった赤峰に、俺は伝える。
多分、伝えなくちゃいけない。
「大体、迷惑ってなんだよ? お前が思う迷惑と、俺が思う迷惑が一緒かどうかなんて、一人で悩んでるお前には、分からないだろ?」
迷惑とは、かけられた方が迷惑だと思うからこその、迷惑なのだ。
「少なくとも、俺にとっては、お前にどんな迷惑かけられたとしても、お前と馬鹿な話で盛り上がれないことの方が、大迷惑だよ」
「……なによ、それ」
赤峰が、なんだか拗ねたような顔で、こちらに、彼女の前にいる俺に、その顔を向けてくれた。
「まぁ、なんだ。つまり、俺が言いたいのは、本当に、どうしようもなくヘコむくらいなら、その前に、周りに迷惑でもなんでも、かけまくれってことだよ。あっ、先に言っとくけど、俺がなんか困ったら、お前にも、思い切り迷惑かけまくる予定だからな。その辺は、よろしく」
「いや、それはやめて」
「ひでぇ」
ようやく、いつもの調子に戻った赤峰が、俺をジト目で睨んでみせる。
本当に、本当に久しぶりな気がするが、俺と赤峰の目が合った。
「……ぶっ、くくく、はははははははは!」
「……ふふ。あはは、あははははははは!」
そして、俺たちは、どちらともなく笑い出す。
本当に、馬鹿みたいに笑った。
周りから変な目で見られても、俺には、俺たちには、そんなこと関係ないのだ。
「あー。なんかあんたと馬鹿な話してたら、お腹空いたわ。ケーキ頼んじゃうけど、いいよね」
「どうぞ、お好きなだけ。なんなら、この店のケーキ買い占めようか?」
「そんなに食べない!」
俺たちはその後も、喫茶店で馬鹿な話をし続ける。
まったく、悪の組織の総統が、正義の味方の悩みを聞いてあげるなんて、本当に、なんとも馬鹿な話だと思う。
だけど、これが今日、俺がやると決めたことなのだ。
「ねぇ、十文字」
「なんだよ?」
「……ありがとう」
帰り際、喫茶店から出た時に言われた、いつもの赤峰らしくない、照れたような感謝の言葉が、俺には最高の報酬だった。
「それじゃ、あたし、空手の時間だから、行くね?」
「おう! 頑張ってこいよ!」
こちらに手を振りながら、空手の道場……、いや、おそらくマジカルセイヴァーの本拠地に向かう赤峰を、俺も手を振りながら、笑って見送った。
夕日の中の彼女を、綺麗だな、なんて思いながら。
「……さてと」
俺は一息つくと、次の目的地に向かい、歩き出す。
俺が、今日やると決めたことは、まだ終わっていないのだから……。
「ここにいると、いいんだけど……」
喫茶店の次に、俺が足を運んだのは、この街の図書館だった。
彼女との付き合いはまだ短いが、彼女が落ち込んだり、考え事したりするときに、よくこの場所に足を運んでいることを、俺は知っていた。
まぁ、前に桜田から、そんな話を聞いたことがあるってだけなんだけど。
「おっ。いたいた」
個人的には、あまり馴染みのない場所だったが、俺は図書館の中をひたすら歩き回ることで、目的の人物の発見に成功した。割と当てずっぽうな探索だったので、この結果はラッキーと言える。
「…………」
図書館の机の上に、まさしく山のように、分厚い本を積んで勉強している、眼鏡の才女。
水月
俺は近くの棚から、適当な本を持ち出すと、それを抱えて、彼女に話しかけることにした。
「やぁ水月さん。偶然だね。折角だし、隣いいかな?」
「……どうぞ」
偶然もなにも、最初から、彼女のことを探し回っていたのだが、俺の下手くそな嘘に、水月さんは気づいた風もなく、許可をくれた。俺は、これ幸いにと、彼女の隣に腰を下ろす。
「…………」
しばらくは、水月さんがノートにペンを走らせる音と、本のページをめくる音が響くだけの、静かな時間が流れた。
さて、どうやって話を切り出すべきか……。
「ねぇ、水月さん。ちょっと聞いてもいいかな?」
「……なんですか?」
図書館のマナーを守り、小声で尋ねた俺に、水月さんが、これまた小声で答えてくれる。
まぁ、当たって砕けるか。
「最近、なんか赤峰とギクシャクしてるみたいだけど、なにかあったの?」
「……そんなこと」
「ないわけ、ないよね? だって実際、教室でも全然話してないし」
「……十文字さんには」
「関係ない。なんて言わないでよ? これでも、二人の友人のつもりなんだから」
「…………」
水月さんが、黙り込む。
俺と彼女の付き合いは、そう長いものではない。
水月さんが一度口を閉ざしてしまえば、もう一度その話題に持ち込むのは、正直、かなり難しいだろう。
だから、ここは多少強引にでも、彼女の事情に踏み込むことにした。
「赤峰と、喧嘩でもしたの?」
「違います」
水月さんは、きっぱりと否定する。
まぁ、それはそうだろう。
そんな簡単な事情ではないということは、もう分かっている。
「じゃあ、なにがあったの?」
「十文字さん、少ししつこいですよ」
ここが図書館と言うことを忘れたかのように、水月さんが、少しだけ声を荒げる。
彼女らしくない態度だ。俺の追及に、かなりイライラしているのだろう。
これ以上、無理に話を続ければ、彼女に嫌われるかもしれない。
だがそれは関係ない。今は関係ないのだ。
俺は、追及を続ける。
「なにがあったの?」
「……なにもありません。これは……、私の問題です」
水月さんが、落ち込んだように俯いて、机の上に大量に並べられた、本の海に顔を落とす。
私の問題……、か。
「つまり、水月さんが、赤峰になにか悪いことをして、そのせいで気まずいと」
「違います。そんなことは、していません」
水月さんが言う私の問題とは、やはり、レオリアとの一戦でのことだろう。
正確には、彼女が飛んでくる赤峰を受け止めてしまったために、二人まとめてレオリアに蹴り飛ばされた件だろうと、俺は当たりをつける。
「じゃあ、水月さん本人が、赤峰に対して、自分がしたことに、納得がいかなくて気まずいとか?」
「なんなんですか。十文字さん。なんでそんなこと聞くんですか」
いつも冷静な水月さんに、苛立ちが募る。
あの時、彼女は赤峰を庇った。
そしてその選択のせいで、自分たちは負けたのかもしれないと、彼女は考えているのだと思う。
もしあの時、赤峰を受け止めなければ、もっと自分にやれたことが、あるのではないか、もしかしたら、あの状況をなんとか変えられたのではないだろうか、と。
もちろん、たらればの話だ。
レオリアの実力を考えれば、あの瞬間マジカルブルーだけが動けたからといって、結果は、なにも変わらないだろうし、そんなことは、水月さん本人が、一番よく分かっている。
だけど、考えてしまう。どうしても、考えてしまうのだろう。
敗北の原因は、自分にあるのではないかと。
あの決断は、間違いだったんじゃないかと。
例えば、あの時、同じようにイエローを助けたためにレオリアに敗北したマジカルピンク……、桜田なら、こんな後悔は、しないだろう。
いや、もちろん桜田も、あそこでレオリアに敗北したという事実には、後悔を抱えていると思う。
だが、イエローを助けたということ自体には、後悔はないはずだ。
自分の力不足を悔やんでも、自分の選択を悔やむようなことは、ないだろう。
これは別に、どちらが正しいとか、どちらが優しいとか、そういう話ではない。
ただの、気持ちの話だ。
自分の選択に対する、自分自身の気持ちの話。
だから、俺は言葉を止めない。
例え水月さんから、嫌われることになったとしても。
「でもさ、水月さんは赤峰に、悪いことをしたとは思ってないんだろ? だったら、その自分の気持ちをもう少し、信じるべきなんじゃないのか?」
「……えっ?」
彼女が驚いたような目で、俺を見る。
そう、水月さんだって、本当は分かっているはずだ。
「自分のやったことを、後悔するのって簡単だけどさ。後悔する前に、自分がどうして、そういうことをしたのか、もうちょっと考えてみるもの、いいんじゃないかな」
「自分で……」
あの瞬間、水月さんは選択したのだ。決断したのだ。
赤峰を、受け止めようと。
咄嗟に、衝動的に、頭で考える前に。
例え後になって、それが正しいのかどうか、悩むことになったのだとしても。
「それに、どうしても自分のしたことが気になるなら、赤峰に聞いてみればいいと思うよ。私のしたことは間違いでしたか? ってさ」
自分が正しいかどうかなんて、自分一人で考えてたって、分かるわけがない。
自分一人で出した答えなんて、それこそ、独りよがりなんじゃないだろうか。
相手がいるなら、聞けばいい。
周りに人がいるのなら、遠慮なく尋ねればいいのだ。
少なくとも水月さんには、それを聞けるだけの仲間が、いるのだから。
「随分、簡単におっしゃるんですね」
水月さんが眼鏡越しに、どこか呆れたように、まるで赤峰みたいに、俺を睨む。
確かに、随分と無責任な物言いだと、俺自身も思う。
だけど、彼女の悩みを解決するには、やっぱり彼女自身が、自ら行動を起こすしかないのだ。
「まぁ、なんにしてもだ。一人で悶々と、頭に知識を詰め込んでるだけじゃ、分からないことなんかも、やっぱりあるもんだと、俺なんかは思うわけだ。新しいことに挑戦したり、他人を頼ったりして、もっと自分の視野を広げてみても、いいんじゃないかな。うんうん」
「十文字さん。あなたは、本当に……」
俺を睨んでいたはずの水月さんが、少しだけ、本当に少しだけ、笑ってくれた。
そして、すっかりいつもの調子で、俺の手元の本を指差しながら、図書館のマナーに
「それで、十文字さんは、そのヌードポーズ集で、一体なにを、勉強なさるおつもりなんですか?」
「あっ、あれ? ……ははは。いや、俺もちょっと、視野を広げてみようかな、と」
どうやら、俺が適当に本棚から引っ張った本は、あまりこの場には相応しくない書物だったらしい。というか、品揃え豊富すぎるだろう、この図書館……。
「……ふふふ」
まぁ、水月さんが笑ってくれるなら、この程度の恥は、十分許容範囲だけど。
静かな図書館に、実に図書館らしい、穏やかな沈黙が戻って来た。
「あの、私、これから行くところあるので、これで失礼しますね」
「あぁ、行ってらっしゃい」
少しすると、水月さんは山のように積み上げていた分厚い本を、全て元の場所に戻して、きちんと俺に一言断って、図書館を出ていく。
おそらく、マジカルセイヴァーの本部へと向かうんだろう。
赤峰がいる、その場所に。
「十文字さん。ありがとうございました」
少しだけ、元気になったように見える水月さんの笑顔が、なんとも眩しかった。
悪の組織の総統が、落ち込んだ正義の味方を、ただただ励ますという、自分のしたことは、果たして正しかったのか、そうじゃなかったのか。
ゆっくりと噛みしめながら、俺は家路につくのだった。
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