第2話 宿敵! 正義の味方マジカルセイヴァー!

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 突然だが、皆さんは正義の味方について、一体どうお考えだろうか?


 子供の頃ならば、そう聞かれれば、まさに漫画やテレビで活躍する正義のヒーローを思い浮かべることだろう。


 ある程度大きくなれば、その憧れは警察官や消防士、弁護士や検事など様々な現実の職業へと移り変わって行くのかもしれない。


 さらに大きくなると、この世に正義なんてないのさ……、みたいに色々とこじらせる可能性もあるが、そのケースは今回、脇に置いておく。


 今は、正義の味方の話だ。


 俺も正義の味方のことを問われたなら、ご多分に洩れず、子供の時はヒーローに憧れていたが、高校生の今となっては、正義の味方と言われてパッと思い浮かぶのは、なんとなく警察官かな? みたいな曖昧な答えしか、持ち合わせていない。


 いや、持ち合わせていなかった、と言うべきだろう。


 少なくとも、漫画やテレビの中のような正義の味方が現実に存在するなんて、思ってもいなかったし、それはどうしたって、フィクションかファンタジーの中でだけ、活躍するものだと思っていた。


 俺自身が、フィックションかファンタジーの中にだけいると思ってた、悪の組織の総統なんてものに、なるまでは。



 そう、正義の味方は存在する。

 この世に悪が蔓延はびこる限り、正義もまた途絶えない、ということなのだろうか?


 まさにその関係は、光と影、水と油、鶴と亀、馬と鹿、ボケとツッコミ、ロミオとジュリエット。


 後半は大分脱線した気がするが、悪の組織と正義の味方が、切っても切れない仲だと言うのは事実だ。


 正義の味方がコインの表なら、悪の組織はコインの裏側。

 どちらか片方だけでは、コインはコインとして存在できない。


 そういう意味で言うならば、正義と悪というものは、実は存外、仲が良いのかもしれない。


 お互いに、必要不可欠。まさに夫婦のように支え合う。


 なんて言ってしまうと、正義の味方からも、悪の組織からも、それぞれ文句が出ることだろう。


 そんな、甘い関係ではないと。


 色々話が脱線してしまったが、つまるところ、悪の組織に対抗する勢力として、正義の味方は現実として、確かに存在するのだ。


 正義の味方は今、この瞬間も、悪の組織を駆逐し、世界を護ろうと日夜戦いに明け暮れている。


 悪と正義は、永遠に戦い続ける運命なのだろうか?


 世界の平和を守るため、正義の味方は、今日もく。


 これから話すのは、俺と、悪の組織と、――正義の味方のお話だ。



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