多感な時期の友情や恋、秘密、仲間との時間が、教室や屋上、校庭、プールなどの情景とともに描かれています。まだまだ子どもなのに、自分では大人のつもりで、親や周りを煩わしく感じていたあの頃、手厚く守られていたことにも気づかず。只々真っ直ぐだった当時の気持ちが懐かしく甦ります。身近な学校生活が舞台なのに、言葉の選び方や描写がファンタジー小説のようで、「わたしたち十四歳の王国にいる」という結びがとても印象的でした。誰もが通ってきた十四歳の頃が特別な世界に感じられる作品です。
教室で見える現在そして未来への不安と期待。それら全てを昇華させず、今に焼き直された再現力。14歳を過ぎた今、みずみずしさと湿度の高さも追体験できます。純度の高い景色が好ましく、もっと見たくなる作品群です。
大なり小なり、誰もが一度は通る黒歴史。あわせて思い出す、思春期の閉塞感と濃密さの記憶。しかし振り返ってみれば、なんと眩しい、かけがえのない瞬間であったことか。
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