概要
魔力を持って生まれた子
十歳になった子供は、教会で銀の盆に手を入れる。
水が光れば連れて行かれ、光らなければ家に帰される。
その年に生かされるのは、百二十人だけ。
わたしの手を入れた水は、光った。
馬車の中で、いちばん小さい子が訊いた。「灰塔って、なんですか」。
御者も修道士も答えなかった。だからわたしは、橋の手前で逃げた。
追ってきた若い聖堂騎士は剣を抜かず、川と反対の方角を指して、そっちは川だ、とだけ言った。
拾われたのは、灰海の縁にある、名前を訊かない村だった。
そこでわたしは知る。認可の数は毎年変わらない。豊作の年も、凶作の年も、戦のあった年も、ずっと百二十。
盆が光った子の数と、百二十とのあいだにある差は、毎年どこかへ行っている。
これは、その差の行き先を知ってしまった子供の話。
そしていつか、この世界の
水が光れば連れて行かれ、光らなければ家に帰される。
その年に生かされるのは、百二十人だけ。
わたしの手を入れた水は、光った。
馬車の中で、いちばん小さい子が訊いた。「灰塔って、なんですか」。
御者も修道士も答えなかった。だからわたしは、橋の手前で逃げた。
追ってきた若い聖堂騎士は剣を抜かず、川と反対の方角を指して、そっちは川だ、とだけ言った。
拾われたのは、灰海の縁にある、名前を訊かない村だった。
そこでわたしは知る。認可の数は毎年変わらない。豊作の年も、凶作の年も、戦のあった年も、ずっと百二十。
盆が光った子の数と、百二十とのあいだにある差は、毎年どこかへ行っている。
これは、その差の行き先を知ってしまった子供の話。
そしていつか、この世界の
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