概要
「後ろを歩かせてもらえませんか」戦わない男を、五人が門で待っていた。
二十年で、魔物を一匹も倒していない。
三十九歳のダグは、いまだ底辺の銅級冒険者だ。
「札を買う金があったら靴を買え」
飯屋の連中は、二十年ずっとそう笑ってきた。
ダグは戦わない。ワイバーンは濡らした毛布の煙で追い返す。
居ついた犬八匹は、干し肉の匂いで谷へ移す。
崩れた石の下の二人は、紐を結んで一人ずつ下ろす。
ところが、噂のほうが先に歩き出した。
助けた崖の高さは、語られるたびに高くなる。
飯屋では、明日ダグがどこへ行くかに賭けが立つ。
夜の店で語られる男は、金級の元隊長で、まだ二十そこそこだ。
本人は端の席で、麦酒を飲んでいる。
噂は都まで届いた。
賭け場を三軒持つ男が町まで来て、行き先を変えろと大金を積む。
ダグはその場で断った。
男は飯屋の向かいに
三十九歳のダグは、いまだ底辺の銅級冒険者だ。
「札を買う金があったら靴を買え」
飯屋の連中は、二十年ずっとそう笑ってきた。
ダグは戦わない。ワイバーンは濡らした毛布の煙で追い返す。
居ついた犬八匹は、干し肉の匂いで谷へ移す。
崩れた石の下の二人は、紐を結んで一人ずつ下ろす。
ところが、噂のほうが先に歩き出した。
助けた崖の高さは、語られるたびに高くなる。
飯屋では、明日ダグがどこへ行くかに賭けが立つ。
夜の店で語られる男は、金級の元隊長で、まだ二十そこそこだ。
本人は端の席で、麦酒を飲んでいる。
噂は都まで届いた。
賭け場を三軒持つ男が町まで来て、行き先を変えろと大金を積む。
ダグはその場で断った。
男は飯屋の向かいに
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