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概要
頑張った結末がこれか、と思った
電話が鳴ったのは、月曜の朝の六時四十分だった。
宮下さんは、十歳上の先輩だった。役職は係長のまま。それなのに部長も工場長も取引先も、困ると必ずこの人を呼んだ。
誰かに質問されると、必ず椅子を回して体ごと向き直る人だった。後輩のミスは黙って自分が報告に行った。初めて海外に行く俺のために、総務に掛け合って同じ家に住めるようにしてくれて、そのことを二か月間、一度も言わなかった。
くも膜下出血だった。四十八歳。
あんなに信頼されて、あんなに頑張って、結末がこれか。頑張ることは間違いなのか。俺は何年も答えを出せなかった。
今年、俺はあの人の歳を二つ越えた。
全5話・完結。
宮下さんは、十歳上の先輩だった。役職は係長のまま。それなのに部長も工場長も取引先も、困ると必ずこの人を呼んだ。
誰かに質問されると、必ず椅子を回して体ごと向き直る人だった。後輩のミスは黙って自分が報告に行った。初めて海外に行く俺のために、総務に掛け合って同じ家に住めるようにしてくれて、そのことを二か月間、一度も言わなかった。
くも膜下出血だった。四十八歳。
あんなに信頼されて、あんなに頑張って、結末がこれか。頑張ることは間違いなのか。俺は何年も答えを出せなかった。
今年、俺はあの人の歳を二つ越えた。
全5話・完結。
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