概要
会津からやってきた虎太郎は切り裂き殺人犯の魔手から美登利を救えるか?
狭い家の中も表同様障子に西日が当たって暑かった。
奈津は奥の六畳間の文机に向かい、うんうん唸りながら書き物をしていた。
邦子がかいつまんで虎一郎の話をすると、「じゃあここにいれば」と、あっさりと言った。
(7)
「京の新選組でも会津戦争でも西南の役の抜刀隊でも、儂は常に生死を分けた戦でしか剣を振ったことはない。天然理心流の理法などからは遠い殺人剣じゃ。・・・木刀でも本気で打ち込めば若いお主の骨をも砕こう。よいか、今日を限りに剣を捨て会津に帰って別の生きる道を考えよ!」
(6)
「この手紙によれば、詰め腹を切らされた会津藩家老の萱野さま直伝の一刀流をお前に伝えたが、拙者の弟子になって剣の奥義をさらに究めさせたいとある。だが、いくら飯沼どの後押しといえども何もしてやれんぞ。・・・今は警視庁を
奈津は奥の六畳間の文机に向かい、うんうん唸りながら書き物をしていた。
邦子がかいつまんで虎一郎の話をすると、「じゃあここにいれば」と、あっさりと言った。
(7)
「京の新選組でも会津戦争でも西南の役の抜刀隊でも、儂は常に生死を分けた戦でしか剣を振ったことはない。天然理心流の理法などからは遠い殺人剣じゃ。・・・木刀でも本気で打ち込めば若いお主の骨をも砕こう。よいか、今日を限りに剣を捨て会津に帰って別の生きる道を考えよ!」
(6)
「この手紙によれば、詰め腹を切らされた会津藩家老の萱野さま直伝の一刀流をお前に伝えたが、拙者の弟子になって剣の奥義をさらに究めさせたいとある。だが、いくら飯沼どの後押しといえども何もしてやれんぞ。・・・今は警視庁を
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