概要
魔王も聖女も殺した腕です。よく斬れますよ
「治すだけのくせに――――」
魔王を倒した直後、聖女アデーレは胸を刺された。刺したのは五年ともに歩いた仲間、女剣士レジーナ。笑い声を聞きながらアデーレは死んだ。
目を覚ますと、過去に戻っており、討伐の旅が始まった日の朝だった。
鏡に映るのは、自分を刺した女の顔。剣を握れば、握り方のほうを体が覚えている。
そして目の前では、聖女だったころの自分が、記憶のとおりに愛想よく笑っていた。
裏口も、弱点も、迷路の最短路も、ぜんぶ知っている。けれど今のアデーレは、誰にも好かれない前衛の体で立っている。命がけで斬った日にかぎって、街の者はこう言うのだ。
「聖女様のおかげです」
――ならば、その場で書き直させる。
「斬ったのはこの腕です。名前を書き直していただきます」
守られる側
魔王を倒した直後、聖女アデーレは胸を刺された。刺したのは五年ともに歩いた仲間、女剣士レジーナ。笑い声を聞きながらアデーレは死んだ。
目を覚ますと、過去に戻っており、討伐の旅が始まった日の朝だった。
鏡に映るのは、自分を刺した女の顔。剣を握れば、握り方のほうを体が覚えている。
そして目の前では、聖女だったころの自分が、記憶のとおりに愛想よく笑っていた。
裏口も、弱点も、迷路の最短路も、ぜんぶ知っている。けれど今のアデーレは、誰にも好かれない前衛の体で立っている。命がけで斬った日にかぎって、街の者はこう言うのだ。
「聖女様のおかげです」
――ならば、その場で書き直させる。
「斬ったのはこの腕です。名前を書き直していただきます」
守られる側
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