概要
攫われた十五人目は、俺が宿題を見てやった子だった。
都内で若い女性ばかりが消える連続失踪事件。二年で十四人。警察の内偵は二度潰され、分かったのは「内部に情報を漏らす者がいる」ことだけだった。
定年まで九十二日の刑事・真壁鉄雄、五十八歳。名簿のどこにも存在しない囮捜査官になれという極秘任務を、俺は一度は断った。だが、十五人目の失踪者の写真を見て、断れなくなった。――交番時代、ノートの漢字の宿題を見てやった、あの子だった。
かくして俺は書類の上で死に、施術で二十五歳の女「氷見アヤ」になった。値踏みの視線に耐え、掴まれた手首の痕を装備と呼び、薬入りのグラスを飲んだふりで、自ら「商品」として攫われる。
腕力は捨てた。だが三十四年の張り込みと落としの技術は、この身体に残っている。待ち伏せこそ、俺の真骨頂だ。
全10話・完結済み。
定年まで九十二日の刑事・真壁鉄雄、五十八歳。名簿のどこにも存在しない囮捜査官になれという極秘任務を、俺は一度は断った。だが、十五人目の失踪者の写真を見て、断れなくなった。――交番時代、ノートの漢字の宿題を見てやった、あの子だった。
かくして俺は書類の上で死に、施術で二十五歳の女「氷見アヤ」になった。値踏みの視線に耐え、掴まれた手首の痕を装備と呼び、薬入りのグラスを飲んだふりで、自ら「商品」として攫われる。
腕力は捨てた。だが三十四年の張り込みと落としの技術は、この身体に残っている。待ち伏せこそ、俺の真骨頂だ。
全10話・完結済み。
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