概要
半分と半分で、やっと一人分。壊さずに、返す。
【あらすじ】
夜になると、街に壁が降りる。
閉じ込められた区画に「置き去り」にされた物は、持ち主の記憶を宿したまま膨れ上がり、怪異になる。聖堂庁はそれを壊して処理し、翌朝、住民は自分の家財を失う。祭りの夜でも、壁は降りる。
そこへ飛び降りていくのが、姉妹の拾い屋だ。
妹のカテリーナ(15)は柄の短い大鎌を振るう。届かせるには、自分から深く踏み込むしかない。姉のルクレツィア(19)は片側だけの銃を撃つ。弾は自分の体力で、撃つたびに腹が減る。二人には生まれつき、対のあざがある。痛みも、疲れも、空腹も、勝手に半分ずつになる。半分と半分で、やっと一人分。
彼女たちの流儀はひとつ——壊さずに、返す。怪異が抱えた物には必ず「持ち主の手の跡」がある。毎日握られて色の変わった、その一点。そこを斬
夜になると、街に壁が降りる。
閉じ込められた区画に「置き去り」にされた物は、持ち主の記憶を宿したまま膨れ上がり、怪異になる。聖堂庁はそれを壊して処理し、翌朝、住民は自分の家財を失う。祭りの夜でも、壁は降りる。
そこへ飛び降りていくのが、姉妹の拾い屋だ。
妹のカテリーナ(15)は柄の短い大鎌を振るう。届かせるには、自分から深く踏み込むしかない。姉のルクレツィア(19)は片側だけの銃を撃つ。弾は自分の体力で、撃つたびに腹が減る。二人には生まれつき、対のあざがある。痛みも、疲れも、空腹も、勝手に半分ずつになる。半分と半分で、やっと一人分。
彼女たちの流儀はひとつ——壊さずに、返す。怪異が抱えた物には必ず「持ち主の手の跡」がある。毎日握られて色の変わった、その一点。そこを斬
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