権力闘争に敗れ、坑道の終身刑囚たちの「共有の妻」へと堕とされた元悪徳聖女ディルヤ。その境遇は残酷でありながら、彼女の微笑みは折れていない。むしろ、静かに、確実に、牙を研いでいる。地べたを這う日々は屈辱ではなく、復活のための潜伏期間。かつて悪の華として咲いた彼女が、再び咲くその瞬間を読者は息を呑んで待つことになる。救済でも浄化でもない、泥の底からの反逆。ディルヤの沈黙は敗北ではなく、次の一手の予告だ。悪の華は二度咲く──その言葉がこれほど似合う主人公はいない。
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