【第17話.車椅子の少年】への応援コメント
今回のお話は、これまで積み重ねてきた「香水」を巡る優しい物語の空気に、少しずつ不穏な影が差し込んできた回だと感じました。
特に印象に残ったのは、ハンネローレという新しい存在が、単なる賑やかなキャラクターとしてではなく、物語の中で「人と魔族の間にあるもの」を象徴する役割になっているところです。
両親を魔族によって失った過去がありながら、それでもベルベッチカやエレオノーラの側にいることを選んだ彼女の姿は、この作品の根底にある「過去ではなく、今目の前にいる相手を見る」というテーマを強く感じさせました。
だからこそ、今回出会った車椅子の少年との場面がとても刺さります。
明るく元気いっぱいで、人との距離を縮めることに迷いがないハンネローレが、初めて出会った相手から突然「死ぬ」と告げられる。その瞬間の温度差がすごく印象的でした。
少年と母親の描写も、不気味さだけでは終わらないところが良いですね。
車椅子、影のような雰囲気、東洋風のお守り、そして「周りを巻き込みたくなければ言うな」という言葉。怪しさは十分にあるのに、そこに単純な悪意だけでは片付けられない何かを感じます。
特に「魔除け」を渡すという行動が気になります。普通なら呪いをかける側の人物のようにも見えるのに、同時に命を守ろうとしているようにも見える。この矛盾が次の展開への期待を高めています。
また、ベルベッチカとハンネローレの関係性も素敵でした。
ベルベッチカは普段、冷静で何でも見透かしているような人物ですが、ハンネローレに対しては単なる店主と従業員ではなく、守るべき存在として見ているように感じます。
だからこそ、ハンネローレが必死に隠そうとしている場面で、あっさり「死ぬとか、10日がとか、聞こえてきたけど」と言い当てるところは、少し笑ってしまいながらも、同時に「やはりこの人には隠し事ができない」と安心感もありました。
前話までのヨアヒムの物語では、「失った家族とどう向き合うか」というテーマが描かれていましたが、今回は「残された者が未来をどう選ぶか」という方向へ広がっているように感じます。
優しい香水屋の日常の中に、戦争の傷、種族間の溝、過去の因縁、そして新たな謎が自然に入り込んでいて、世界が少しずつ大きく動き始めている印象でした。
ハンネローレの小さな不安が、これからベルベッチカたちの物語にどんな変化をもたらすのか、とても気になる回でした。
作者からの返信
ありがとうございます。今回の章は、「伏線」章になります。これでもかというほど終盤に向けての伏線を張ってみました。現時点で、まだ終盤の執筆は手を付けていません。
果たしてどうなるのか、どうぞお楽しみに!
【第16話.父と家族と祖国】への応援コメント
今回のお話は、静かな別れの中に、とても大きなテーマが込められている回だったと感じました。
ヨアヒムさんの物語は、単なる「亡くした家族を取り戻したい老人」の話ではなく、戦争によって残された人々が抱える傷そのものを描いているように思えました。
最初は香水によって妻や孫と再会できたことを喜んでいたヨアヒムさんですが、最後に彼自身が選んだ答えが、とても胸に残ります。
失ったものをもう一度求める気持ち。
思い出の中で生き続けたい気持ち。
それでも最後には、残された現実を受け入れる強さ。
その全てが短い場面の中に詰まっていて、読んでいて胸が締め付けられました。
特に印象的だったのは、ベルベッチカが「香水で救うことができるもの」と「香水では届かないもの」の境界に直面したところです。
彼女は今まで、匂いによって人の記憶や感情に触れてきた。
失われたものを一瞬だけ蘇らせる力を持っている。
でも、ヨアヒムさんが最後に必要としていたものは、過去へ戻るための香りではなかった。
そこに、調香師としてのベルベッチカの限界と、同時に彼女がこれから向き合うべきものが見えた気がします。
また、過去のベルベッチカと父親の記憶が挟まれたことで、今回の出来事がさらに深く感じられました。
幼い頃、死の恐怖から救ってくれた父。
圧倒的な存在だった魔王皇帝。
そして現在、家族を失ったヨアヒムさん。
一見すると別々の話なのに、「父」「家族」「守りたいもの」という共通したテーマで繋がっているのが印象的でした。
ベルベッチカ自身も、実はずっと失ったものを追い続けているのかもしれませんね。
だからこそ、ヨアヒムさんが香水を拒んだ意味を理解できないところが、とても切なく感じました。
さらに最後の場面で、物語の視点が大きく動いたのも気になります。
個人の悲しみや家族の記憶から、再び「祖国」「復興」「計画」という大きな流れへ戻っていく。
ベルベッチカの小さな香水屋で起きている出来事が、実はもっと大きな時代のうねりの中にあるのだと感じさせられる展開でした。
優しさと残酷さ、救いと執着が同時に描かれていて、とても余韻の残る回でした。
作者からの返信
この回は苦戦しました。ヨアヒムの「最後の」思いを表現するのが、困難を極めました。それでも、こうしてご感想いただき、嬉しい限りです!ありがとうございます!
【第15話.手に入らないもの】への応援コメント
今回のお話は、これまで積み重ねられてきた「香り」と「記憶」というテーマが、さらに深いところまで描かれた回だったと感じました。
ヨアヒムさんのエピソードは、とても静かなのに胸に刺さるものがありますね。亡くなった家族をもう一度感じたいという願いは、一見すると過去に縋っているようにも見えますが、実際には「愛した時間をもう一度抱きしめたい」という、人としてとても自然な感情なのだと思いました。
特に印象に残ったのは、ベルベッチカがその願いをただ否定しなかったところです。
現実には戻せない。
失った命を取り戻すこともできない。
それを誰より理解しているはずなのに、彼女は香水という形で、その人が残された時間を穏やかに過ごすためのものを作った。
そこに調香師としての優しさと、同時に少し危うい部分が同居しているのが、とてもベルベッチカらしいですね。
そして後半の展開は、優しい話だけでは終わらないところが印象的でした。
「人を救いたい」という気持ちと、「自分の欲しいものを手に入れたい」という欲望が、同じ人物の中に存在している。
ベルベッチカは決して単純な善人ではなく、愛情も執着も覚悟も全部抱えたまま進んでいるからこそ、目が離せないキャラクターになっていると思います。
特にルートヴィヒへの想いが、ただの恋心ではなく、「失ったものを取り戻したい」という彼女自身の過去や孤独とも繋がっているように感じられて、読んでいて少し怖さすら覚えました。
また、エレオノーラとの会話も非常に良かったです。
姉の行動を理解しようとしながらも、越えてはいけない一線を感じ取っている妹。
一方でベルベッチカは、自分が危うい方向へ進んでいることを理解していながら止まれない。
二人とも相手を大切に思っているからこそ、価値観の違いがより苦しく見えますね。
最後の「似ているよ」という言葉も、とても重く感じました。
同じ優しさを持ちながら、同じように誰かのために動いているのに、選ぶ道だけが少しずつズレていく。
この姉妹の関係が今後どう変化していくのか、とても気になる回でした。
作者からの返信
手に入らないもの。失ったものと望んでも手にできないもの。ベルベッチカは善人でありながら独善も持ち合わせている。一方のエレオノーラも、故郷を思うあまり不安定になる。「似ている」姉妹ですね。
【第14話.葬列】への応援コメント
今回のお話は、激しい事件の後だからこそ描かれる「残された人たちの時間」が、とても丁寧に表現されていた回だと感じました。
ディートリントの死によって、物語の空気が大きく変わりましたね。
それまで追っていた連続殺人事件の謎だけではなく、戦争で失われたもの、残された人々が抱えている悲しみ、そして簡単には埋められない心の空白が前面に出ていて、静かなのに重みのある展開でした。
特にベルベッチカが葬列を遠くから見つめる場面が印象的でした。
本当ならルートヴィヒの側へ行きたい。
声をかけたい。
自分が作った香水を渡して、少しでも彼の悲しみを和らげたい。
その気持ちは強く伝わってくるのに、彼女は「ただの香水屋」として一歩引く。その距離感がとても切なかったです。
ベルベッチカは強大な力を持っているわけではなく、戦場で戦う英雄でもない。でも、誰かの痛みに寄り添おうとする優しさを持っている。その部分が、この物語の大きな魅力になっているように感じます。
そして後半のヨアヒムさんの登場も、とても心に残りました。
ディートリントという国全体が悲しむ存在を失った直後に、今度は一人の老人が「たった一人の大切な人」を失った悲しみを語る。
大きな歴史の中の悲劇と、個人の人生の中にある悲劇が重なって描かれていて、戦争というものが決して数字や勝敗だけでは語れないものなのだと改めて感じました。
特に60年連れ添った妻クラリッサとの思い出を語る場面は、とても優しい雰囲気がありました。幸せだった時間が長かったからこそ、失った時の痛みも大きい。その悲しみが静かに伝わってきます。
また、「亡くなった家族を思い出せる香水」という依頼が、ベルベッチカの作る香水という存在と非常に相性が良いですね。
彼女の香水は単なる魔法の道具ではなく、人の記憶や想いを繋ぐものなのだと感じました。
ディートリントを失ったルートヴィヒへの想いと、ヨアヒムがクラリッサとの記憶を求める姿が重なって見えるのも印象的です。
今回のお話は派手な戦闘や大きな謎解きとは違う形で、登場人物たちが「失ったもの」と向き合う回でしたね。
最後のヨアヒムの言葉の続きを待つベルベッチカの姿が、とても印象に残りました。
彼が何を語るのか、そしてその記憶がベルベッチカの心にどう響くのか、とても気になる回でした。
作者からの返信
ヨアヒムは、人生における事件の対比の描写に必要な人物でした。何万人の命を救ったディートリントと、妻を亡くしたヨアヒム。ベルベッチカは彼らを同列に扱わなければならない。そんな試練を与えたくて作りました。
【第13話.ディートリント】への応援コメント
今回のお話は、事件の真相に近づいていく緊張感と、登場人物たちが背負っている過去の重さが強く描かれていて、とても胸に残りました。
特にディートリントという人物が、ただ「眠っている被害者」ではなく、ブリュンヒルデにとってどれほど大切な存在だったのかが、少しずつ明かされていく構成が印象的でした。
ブリュンヒルデがディートリントの髪を拭き、声をかけ、昔からの思い出を語る場面は、普段の勇者としての強さではなく、一人の友人としての弱さや優しさが見えて、とても切なかったです。
同時に、その優しさのすぐ隣にある「魔族への憎しみ」が、この物語の難しさを感じさせますね。
彼女にとってグリゴリーは、ただの敵だったのかもしれない。
でもベルベッチカにとっては、幼い頃から自分を見守ってくれた大切な家族のような存在だった。
同じ出来事でも、立場が変われば見える景色がまったく違う。その部分が丁寧に描かれていて、単純な善悪では割り切れない世界観に引き込まれました。
そして、ベルベッチカが思い出す「ベル1番」の香水の話が本当に良かったです。
幼い少女が一生懸命作った失敗作を、グリゴリーが大切に持ち続けていたという事実。戦争や種族間の対立という大きなテーマの中で、たった一本の香水が人と人との繋がりを表しているように感じました。
だからこそ、現在の事件で使われている謎の香りが、単なる手掛かりではなく、ベルベッチカ自身の過去や失われたものに繋がっているように思えて、より不安と興味が強くなります。
終盤のディートリントの変化は衝撃的でした。
ずっと守りたかった友を、自分自身の手で止めなければならなくなったブリュンヒルデの絶望。そして、ベルベッチカが間に合わず、何も知らないまま倒れてしまう展開。
事件の犯人探しだけではなく、過去の戦争で生まれた傷や憎しみが、現在の人々をさらに苦しめているように感じました。
「誰が悪いのか」だけでは答えが出ない状況だからこそ、それぞれの人物の想いがより強く伝わってきます。
ディートリントの死が、この先ベルベッチカやブリュンヒルデ、そして人間と魔族の関係にどんな影響を与えるのか、とても気になる回でした。
作者からの返信
はい。ベル1番。欠番になっている、幼い頃の失敗作。グリゴリーはベルベッチカの大好きな人でした。戦争が何を奪うのか、描けていたら幸いです。
【第12話.バッツドルフ傷痍軍人療養所】への応援コメント
今回のお話、事件の捜査だけではなく、この世界が抱えている戦争の傷跡や、そこに生きる人々の想いまで丁寧に描かれていて、とても印象に残りました。
特にバッツドルフ傷痍軍人療養所という舞台が素晴らしいですね。単なる「犯人を探す場所」ではなく、戦争が終わった後も終わっていない苦しみや、それでも誰かを支えようとする人々の優しさが感じられる場所になっていました。
ベルベッチカの能力も、ただ便利な特殊能力として扱われていないところが好きです。匂いを読む力によって事件の核心へ近づいていく一方で、その力があるからこそ、人々の苦しみや過去まで感じ取ってしまう。その繊細さが彼女の魅力になっていると思いました。
そしてヨゼフィーネ院長の「ここにいる者たちを守る」という覚悟も、とても心に残りました。王族からの要請であっても、ただ従うのではなく、自分が守るべきものを優先する姿勢には、長い年月この場所を支えてきた人間の強さを感じます。
また、ベルベッチカとブリュンヒルデの再会も緊張感がありました。以前の出来事を知っているからこそ、二人の会話の裏側にある感情が伝わってきます。互いに簡単には分かり合えない立場なのに、どこか同じものを背負っているようにも見えて、今後どう交わっていくのか気になりました。
何より、魔族と人間、勇者と魔族という単純な対立では描かれていないところが、この物語の大きな魅力だと思います。誰が正しいのかではなく、それぞれが過去や信念を抱えて行動しているからこそ、事件の真相だけでなく登場人物たちの答えにも興味を惹かれます。
最後のベルベッチカが「あの匂い」に気付く場面は、静かな展開から一気に空気が変わりました。ここまで積み重ねてきた伏線が少しずつ繋がり始めている感じがして、続きがとても気になります。
作者からの返信
名前を考えるのに散々苦労した病院になります(爆)。生と死が入り乱れる場所で、ベルベッチカたちが何を見るのか。そこを描きたかったのです!
【第11話.亡き記憶の涙】への応援コメント
今回の話は、事件の謎解きだけではなく、「過去の戦争で何が起きていたのか」という部分に深く踏み込んだ回だと感じました。
特に印象に残ったのは、ベルベッチカが単純に「魔族側の生き残り」として描かれているのではなく、彼女自身もまた戦争によって失われたものを抱えている存在として描かれているところです。
犯行現場の凄惨さや、ベルベッチカの鋭い嗅覚による推理はミステリーとして非常に引き込まれましたが、それ以上に心に残ったのは、エレオノーラが語ったオリガの過去でした。
普段は感情を見せず、まるで鋼鉄のような存在だったオリガ。その彼女が、過去のある出来事のあとに涙を流していたという事実が、とても重く感じられました。
戦争では「敵」と「味方」という単純な線引きがされてしまいますが、その線の向こう側にも生活があり、家族があり、守りたいものがある。その現実を、幼いエレオノーラが目撃してしまったことの意味が大きいですね。
また、ベルベッチカが「魔族も人も変わらない」と考えながらも、自分の過去や一族の行いから完全には目を逸らせないところも印象的でした。
ルートヴィヒ王子との事件捜査では冷静な調香師としての能力を見せ、エレオノーラとの会話では一人の姉として揺れる。その二つの顔が同時に描かれていることで、ベルベッチカという人物の奥行きがさらに増しているように感じます。
今回の「姉さまは、本当の平等が訪れると信じますか」という問いは、単なる過去の告白ではなく、この物語全体のテーマに関わる大きな問いかけのように思えました。
香水屋として穏やかな日々を送りたいベルベッチカと、皇女として背負うべき責任を見つめるエレオノーラ。その二人の価値観の違いが、優劣ではなく、それぞれが大切にしてきたものの違いとして描かれているのが素敵でした。
事件の犯人探しの緊張感と、過去の記憶が現在に繋がっていく物語性の両方が楽しめる回でした。今後、この事件がどのように二人の過去や戦争の真実へ結びついていくのか、とても気になります。
作者からの返信
はい、オリガは実は最も気に入っているキャラクターになります。彼女を思い出すたびに、姉妹の温度差が明白になっていく。そこに優劣など存在しないのに……です。
【第10話.再現できない世界】への応援コメント
第10話、拝読しました。
今回は「未知の香り」という謎が、単なる事件の手掛かりではなく、ベルベッチカ自身の内面を揺さぶるものとして描かれているところがとても印象的でした。
これまでベルベッチカにとって、匂いは絶対的なものだったと思います。
どんな香りでも分析できる。どんな素材でも理解できる。
それは彼女が長い時間をかけて築き上げてきた、自分自身の誇りであり、魔族の皇女ではなく「調香師ベルベッチカ」として生きるための大切な柱だったのだと思います。
だからこそ、「知らない匂い」という存在が、単なる未知の素材ではなく、彼女の世界そのものを揺るがすものになっているのが良かったです。
特に、ガラス片を調べているうちに無意識のうちに暴走してしまう場面は、普段のベルベッチカからは想像できない姿でした。
いつも飄々としていて、香水のことになると周囲が見えなくなる天才調香師。
でも、その奥には「自分の信じてきたものが届かないかもしれない」という恐怖がある。
その弱さが一瞬だけ表に出ることで、彼女が単なる万能キャラクターではなく、過去や傷を抱えた一人の少女なのだと感じられました。
そして、その異変に気付いて支えるエレオノーラとの関係も素敵でした。
「姉さまの味方です」
この言葉はシンプルですが、ここまでの二人の積み重ねを知っているからこそ重く響きますね。
ベルベッチカは自分が妹を守っているつもりでいるけれど、実際にはエレオノーラもまた姉を支えている。
一方的な姉妹愛ではなく、お互いが欠けた部分を補い合っている関係になっているところが、この作品の大きな魅力だと思いました。
また、過去編のナターリヤの話も非常に心に残りました。
「世界は、再現できない」
この言葉が、今回の事件のテーマとも繋がっているように感じました。
失われた故郷。
戻らない人々。
一度壊れてしまった日常。
ベルベッチカは今、小さな香水屋で新しい日々を作ろうとしているけれど、その根底には「失われたものをもう一度取り戻したい」という願いがあるのかもしれません。
だからこそ、ナターリヤの言葉が今になって蘇ってくるのが切ないです。
香水というものは、ある意味では記憶を呼び起こすものですよね。
前話のアレクサンドラの香り、エレオノーラのクッキーの香り、そして今回のナターリヤの香り。
この作品では、匂いが単なる設定ではなく、「過去と現在を繋ぐもの」として描かれているのがとても美しいと思います。
後半のルートヴィヒ王子とのやり取りも良かったです。
事件解決のために協力関係になっているはずなのに、どこか家族の食卓のような空気になっているところが微笑ましいですね。
以前なら、魔族と人間という立場だけで決して交わらなかったはずの三人が、今では同じ事件を追う仲間になっている。
戦争によって壊された関係が、少しずつ別の形で再構築されているように感じました。
ただ、その一方でエレオノーラの不安定さや、ベルベッチカが知らない部分もまだ残っていて、そこが次への引きとして非常に気になります。
今回の話は、事件の謎を進めながらも、同時に「ベルベッチカという人物の核心」に近づいていく回だったと思います。
未知の香りを追うことは、犯人を探すだけではなく、彼女自身が忘れていた過去と向き合うことにも繋がっているように感じました。
穏やかな香水屋の日常の中に、戦争の傷跡や新たな脅威が少しずつ入り込んでくる構成がとても丁寧で、続きが気になる展開でした。
作者からの返信
はい、徐々に世界が動き出しています。でも、その中心にあるのは、無力な香水屋。店主も、本当は争いを好まない。その事実を汲んでいただき、嬉しいです!
【第9話.ガラス片に遺されたもの】への応援コメント
この話数では、前話まで積み重ねてきた「魔族と人間」「過去の戦争」「許しと罪」という大きなテーマが、今度はミステリー要素として動き始めたところが印象的でした。
特に冒頭の、街の少女たちが「ベルの香水屋」の噂をしている場面がとても良かったです。
戦争で故郷を失い、魔族であることを隠しながら生きているベルベッチカにとって、店の名前が人間の街で自然に広がっているという事実は、単なる商売の成功以上の意味がありますよね。
かつては「敵」とされていた人間の世界で、自分の作ったものが誰かの日常に溶け込んでいる。
その静かな変化が、派手な展開ではなく少女たちの何気ない会話だけで表現されていて、とても温かい場面だと感じました。
そしてルートヴィヒ王子との再会も良かったです。
以前は肩の痛みと亡き妻への後悔を抱えていた人物が、今回はベルベッチカの店を訪れるお客様ではなく、事件を持ち込む立場になっている。その関係性の変化が自然で、二人の間に少しずつ信頼が積み上がっているのが伝わりました。
ベルベッチカの「匂いを読む力」が、単なる便利な能力ではなく、彼女自身の生き方や誇りとして描かれているところも魅力ですね。
普通なら「未知の匂いを感じた=能力の限界」となりそうなところを、彼女はそこで諦めずに、
「自分が知らない匂いなのではなく、知らないように作られた匂いなのではないか」
と発想する。
このあたりは、ただの天才キャラクターではなく、研究者や職人としての思考を持っているからこその推理で、とても説得力がありました。
また、エレオノーラとの関係性も今回は特に印象に残りました。
姉の能力を誰よりも信じているからこそ、「姉が知らないものがある」という事実に驚く。そして、その驚きが単なる能力への疑問ではなく、姉を心配する気持ちとして描かれているのが良いですね。
最後の黒幕らしき会話も、かなり不穏でした。
「わざと残されたガラス片」「ベルベッチカが手に取ることを想定した未知の匂い」という展開を見ると、敵は単純な破壊者ではなく、彼女の性質や能力を理解した上で動いている存在なのかな、と想像が膨らみました。
特に面白いのは、ベルベッチカが戦闘能力ではなく「香り」という一見平和的な才能によって事件の中心に巻き込まれていくところですね。
戦争を生き残った元皇女が、今は小さな香水屋として人々を幸せにしている。
そんな彼女の日常に、過去の因縁や新たな事件が少しずつ入り込んでくる構成が、とても丁寧だと思いました。
穏やかな香水屋の日常と、裏で進む連続殺人事件の不穏さ。その温度差があるからこそ、ベルベッチカたちが守ろうとしている「今の暮らし」の大切さがより強く感じられる回でした。
作者からの返信
まさにこれ!まじゅが伝えたかったこと!的確に見抜いてくださっている。これ以上のない喜びを感じます。ありがとうございます!
【第8話.日記】への応援コメント
今回の話は、これまで描かれてきた出来事をまったく違う角度から見せる構成になっていて、とても引き込まれました。
今まで読者が見てきたのは、ベルベッチカやエレオノーラ側から見た「失われた故郷」でしたが、今回は勇者側の記録という形で、同じ出来事が別の意味を持って浮かび上がってくるところが印象的でした。
特に日記という形式が、とても効果的ですね。
淡々と書かれている文章だからこそ、そこに記された感情の重さが逆に伝わってきました。
「魔族を駆逐する」という使命感。
失った家族への想い。
戦争の中で積み重なった憎しみ。
書き手にとっては正義であり、疑う余地のない行動だったはずなのに、読者側から見ると、ベルベッチカたちが背負ってきた悲しみと重なって見える。
同じ歴史でも、立場が変われば見える景色が変わるということを強く感じました。
また、ブリュンヒルデが単純な「敵」ではないことも、この日記によってさらに深まったように思います。
前話では、人を助ける優しさを持ちながら、魔族に対しては複雑な感情を抱えている人物として描かれていましたが、今回の日記では、その理由となる過去が少しずつ見えてきました。
家族を奪われた怒り。
戦争を終わらせるという使命。
そして、その裏側にある一人の人間としての苦悩。
正義を信じて進んできた人物が、果たして本当に正しい道だけを歩いてきたのか。その問いかけが残る内容でした。
特に印象に残ったのは、ベルベッチカたちとの出会いの部分です。
自分が討った魔族の皇族、その生き残りとも知らずに助けてしまう。
ここに大きな皮肉がありますね。
かつて敵として見ていた存在と、何も知らない一人の人間として出会うことで、彼女自身の中にどんな変化が起こるのか、とても気になります。
そして、この日記の最大の魅力は「誰が正しいのか」を簡単に決められないところだと思いました。
魔族側にも守りたいものがあり、人間側にも失いたくないものがある。
戦争という大きな出来事の中で、それぞれが自分の信じるものを守ろうとしていた。その結果として、悲劇が生まれてしまった。
だからこそ、ベルベッチカとブリュンヒルデが今後どう向き合っていくのかが、この物語の大きな軸になるのだろうと感じました。
日記という静かな形式なのに、過去の戦争の激しさや登場人物たちの苦しみが鮮明に伝わってくる回でした。
作者からの返信
幕間的な回でしたが、ご満足いただけ幸いです。善悪で判断できないキャラクターを量産するのが好きなまじゅにとっては、これ以上ない嬉しい感想です!ありがとうございます!
【第7話.勇者】への応援コメント
今回のお話は、これまで積み重ねてきた姉妹の絆と、戦争によって残された傷が真正面からぶつかった回だったように感じました。
まず、冒頭でベルベッチカが目覚めた時、真っ先にエレオノーラの心配をするところが、この姉妹の関係性をよく表していますね。
自分自身が大怪我をしている状況でも、自分より先に妹の無事を確認する。ベルベッチカにとってエレオノーラがどれだけ大切な存在なのかが、説明ではなく行動で伝わってきました。
そして、そこで登場するブリュンヒルデ。
「勇者」という存在は、この物語の中では単純な英雄ではなく、魔族側から見れば家族や故郷を奪った存在でもある。その複雑な立場を持った人物として描かれているのが印象的でした。
特に、「ヒトが大好き」という彼女の言葉と、その後に語られる「平等なら戦争は起きなかった」という冷たい返答の対比が非常に強烈でした。
優しい笑顔を見せる人物だからこそ、その奥にある価値観や過去が気になります。単純な善悪では割り切れない人物として登場したことで、物語の世界そのものに深みが増したように感じます。
また、ベルベッチカとエレオノーラの会話は、この回で大きな転換点になっていましたね。
ベルベッチカは「私はただの香水屋」と言い続ける。
でもエレオノーラから見れば、姉はただの調香師ではない。故郷を失い、多くのものを背負った皇女であり、多くの人から想いを託された存在だった。
この認識のズレが、今まで優しい姉妹関係の中に隠れていた大きな問題として表面化したように思いました。
特に印象に残ったのは、ベルベッチカが復讐や憎しみではなく、香水という形でエレオノーラを取り戻そうとするところです。
戦う力ではなく、彼女がずっと信じてきた「香り」で大切な人を救おうとする。
勇者という強大な存在が現れた直後だからこそ、ベルベッチカの武器が剣ではなく香水であることの意味がより際立っていたように感じます。
最後にクッキーの香りで姉妹がまた笑い合う場面は、とても温かい一方で、その裏には決して消えない過去や葛藤が残っていることも伝わってきました。
幸せな日常を守りたい気持ちと、過去から逃げてはいけないという現実。
ベルベッチカとエレオノーラがこれからどんな答えを出していくのか、とても気になる展開でした。
作者からの返信
はい、過去に縛られているのは、ベルベッチカではなくエレオノーラの方なのです。そのずれが、だんだん大きくなっていき……物語の転換点となります。ブリュンヒルデは、個人的に好きなキャラクターです。勇者とは、魔族から見たらどうなのか。この物語のキーコンセプトの一つです。
【第6話.ピクニックとクッキー】への応援コメント
今回のお話は、ベルベッチカとエレオノーラの姉妹の関係性がさらに深く描かれていて、とても印象に残りました。
序盤の井戸端会議の場面では、ベルベッチカの「香水以外には本当に不器用」という部分が微笑ましく感じられました。調香に関しては誰よりも優れた才能を持っているのに、商売や人との距離感になると途端に苦手になる。そのギャップがキャラクターの魅力になっていますね。
特に印象的だったのは、エレオノーラのために「もっと安くて実用的な香り」を作ろうと考える流れです。
これまでベルベッチカは、自分の信じる調香師としての矜持を大切にしていましたが、今回はそこに「妹を守りたい」「妹の頑張りに応えたい」という気持ちが加わっていて、ただの天才調香師ではなく、一人の姉として成長している姿が見えました。
そして、ピクニックの場面が本当に良かったです。
戦争によって失われた過去、魔王城で過ごした幸せな時間、ナターリヤやグリゴリーたちとの思い出。クッキーの香りから昔の記憶へ繋がっていく描写が、とても優しくて、それだけに切なさもありました。
香りというテーマが単なるファンタジーの能力ではなく、「失った時間を呼び戻すもの」「大切な人との記憶を繋ぐもの」として描かれているところが、この作品独自の魅力だと思います。
また、ベルベッチカが自分の幸せよりも、妹が笑っていることを何より大切にしているところも胸に響きました。目が見えないという設定も、単なる弱点ではなく、嗅覚によって世界を感じ取る彼女だけの個性として活かされているのが素敵です。
最後のオークとの遭遇は、これまでの穏やかな姉妹の時間から一気に緊張感が高まりましたね。
特にベルベッチカが傷つきながらも、相手をただ敵として見るのではなく、同じ魔族として「生き延びたこと」を認めようとする姿には、彼女の優しさと過去への向き合い方が表れているように感じました。
ただ強いだけの主人公ではなく、傷ついた存在同士だからこそ分かり合おうとする。その姿勢が、この物語の温かさにつながっている気がします。
姉妹の穏やかな日常と、戦争の傷跡が残る世界の厳しさ。その両方が同時に描かれていて、次の展開がどうなるのか非常に気になる回でした。
作者からの返信
ベルベッチカもエレオノーラも、人が好きです。ヒトか、魔族か、そこは問いません。なので、危険なオークにも、過去の記憶と同等に扱います。そこに気付いていただき、嬉しい限りです。
【第5話.王子が背負うもの】への応援コメント
第5話は、香水屋という小さな場所を舞台にしながら、人の心に残った後悔や愛情を丁寧に描いた、とても印象深い回でした。
今回特に感じたのは、ベルベッチカの「調香師」という設定が、単なる特殊能力ではなく、この物語のテーマそのものになっているということです。
彼女は匂いによって人の状態を知り、過去の記憶や隠された想いにまで触れることができる。けれど、その力で相手を支配するのではなく、相手自身が抱えている答えを見つける手助けをしているところが、とても優しいですね。
ルートヴィヒ王子の肩の痛みも、単純な身体的な問題ではなく、心の奥に残された後悔が原因だったという展開が良かったです。
「憑いている霊を退治する」という方向ではなく、残された想いを伝え、互いに救われるという流れになっているところに、この作品らしい温かさを感じました。
特にアレクサンドラの存在が印象に残りました。
ルートヴィヒは、自分が妻を苦しめたのではないか、自分が父親になる資格がなかったのではないか、とずっと自分自身を責め続けていた。
でも、彼が本当に恐れていたのは妻への愛情がなかったことではなく、愛していたからこそ「間違えたくない」「失いたくない」という気持ちだったのだと思います。
アレクサンドラが最後に伝えた言葉も、とても胸に響きました。
責めるために残ったのではなく、愛していたことを伝えるために残っていた。その想いが届いたことで、ルートヴィヒの中にあった長い苦しみがようやく解けていく展開が美しかったです。
また、ベルベッチカ自身の成長も感じました。
第1話では人間から恐れられる存在だった彼女が、今では人間の王子の心を救っている。その変化が、この作品の大きな魅力ですね。
魔族と人間という立場の違いを超えて、一人の人間として向き合う姿が描かれていて、戦争によって作られた憎しみを少しずつ溶かしていくように感じました。
そして、ベルベッチカとエレオノーラの姉妹の掛け合いも今回とても良かったです。
重い過去や戦争の記憶が描かれる一方で、香水に夢中になりすぎる姉と、そんな姉に呆れながらも誰より大切に思っている妹という日常のやり取りがあることで、二人が本当に「生きている」人物として感じられます。
最後のルートヴィヒの「優しい女性だ。誰よりも」という言葉も、ベルベッチカ自身がまだ気付いていない魅力を表しているようでした。
自分では香水の才能だけが取り柄だと思っている彼女ですが、実際には人の痛みに寄り添える優しさを持っている。その部分が少しずつ周囲に伝わっていく過程が、とても丁寧に描かれていると思います。
小さな香水屋に訪れる人たちは、これからきっと香りだけではなく、それぞれの悩みや過去も持ち込んでくるのだろうと感じました。
「香りで人の心を救う」というテーマが、今回の話でよりはっきり見えた回でした。
作者からの返信
はい、「香りで人の心を救う」は、全編通じてのテーマになっております!そこを汲んでいただき、何と嬉しきことか……。ベルベッチカたちも、よろこんでおります!
【第4話.思い出のクローバー】への応援コメント
第4話は、香水屋という小さな舞台の中に、過去と現在、そして姉妹の絆が重なって描かれた、とても心に残る回でした。
今回特に印象的だったのは、ルートヴィヒ王子の依頼が単なる「肩の痛みを癒す香水」では終わらなかったところです。
ベルベッチカの調香は、ただ症状を和らげるためのものではなく、その人の心の奥にあるものへ触れていく力なのだと感じました。
彼女は匂いから相手の状態を読み取り、目には見えないものまで感じ取ることができる。その能力が、戦いや争いのためではなく、人の記憶や心を救う方向に使われているのが、この作品らしい魅力だと思います。
ルートヴィヒ王子の背後に見えた「何か」の描写も、とても興味深かったです。
本人が語らない過去や抱えているものが、ベルベッチカには香りとして届いてしまう。その設定によって、表面上は穏やかに見える人物の内側まで物語に入り込めるのが面白いですね。
そして後半のクローバーの思い出の回想は、姉妹の関係性をさらに深く感じさせる場面でした。
エレオノーラがなぜ姉を支え続けているのか。ただ優しいから、姉思いだから、というだけではなく、幼い頃から共に過ごした時間や、小さな幸せの積み重ねが今の二人を作っているのだと伝わってきました。
特に、クローバーというモチーフがとても美しいです。
戦争や皇族という大きな運命の中では、小さな押し花なんて些細なものに見えるかもしれません。
でも、二人にとっては失われた平穏な日々の象徴であり、過酷な現実の中で心を繋ぎ止める大切な宝物だった。その対比がとても切なく感じられました。
また、ベルベッチカ自身も「守られるだけの存在」ではないところが良いですね。
目が見えないことや、生活能力の不足から妹に頼っているように見えても、彼女には彼女にしかできない方法で大切な人を支える力がある。
エレオノーラが姉のために店を作り、ベルベッチカが妹の笑顔を取り戻そうとする。二人がお互いに支え合っている関係だからこそ、この姉妹の物語に温かさがあります。
最後に、ベルベッチカがルートヴィヒ王子のことを思い出して走り出す展開も、彼女らしいですね。
深い過去や重い運命を抱えているのに、時々見せるドジな部分や無邪気さがあることで、彼女が「魔族の皇女」ではなく、一人の少女として感じられます。
戦争によって失われたものを、香りによって少しずつ取り戻していく。
香水屋という場所が、ただ商品を売る店ではなく、人の記憶や想いが集まる場所になっていく予感を感じる、とても優しい回でした。
作者からの返信
クローバーは二人にとってとても大切なモチーフなのです。優しいエレオノーラを支えてきた、心の拠り所なのです。汲み取っていただき、嬉しいです……!
【第3話.はじめてのお客さま】への応援コメント
第3話は、いよいよ物語の本当の始まりを感じさせる、とても温かい回でした。
第1話では処刑台に立つ魔族の皇女、第2話では新しい生活を始めようとする元皇族として描かれていたベルベッチカが、今回は「小さな店を営む一人の少女」として描かれていて、その変化がとても自然でした。
特に印象に残ったのは、香水屋の開店という華やかな出来事の裏側にある、エレオノーラの努力です。
ベルベッチカは香水作りでは天才的な才能を持っている一方で、生活面では妹に頼りきり。その関係性が単なる「姉を支える妹」ではなく、お互いがお互いを大切に思っている家族として描かれているのが素敵でした。
エレオノーラが手書きで香水の説明を書き、深夜まで経理を勉強し、朝早くから呼び込みをしている姿は、表立って目立つ能力ではないけれど、物語を支えている大きな力だと感じます。
そして、ベルベッチカがその努力に気付いて涙を流す場面は、とても胸に残りました。
普段はどこか飄々としていて、自分の才能に誇りを持っている彼女ですが、妹が自分のために何を犠牲にしてきたのかを改めて理解することで、皇女としてではなく「姉」としての感情が強く表れる瞬間だったと思います。
また、この作品の魅力だと感じるのは、魔族と人間の関係が少しずつ変化していく描写ですね。
戦争という大きな傷を抱えた世界で、いきなり全てが和解するわけではなく、近所の人々との交流や、小さな親切の積み重ねによって少しずつ距離が縮まっていく。その描き方がとても丁寧です。
フリーデさんやアンネマリーのような近所の人たちも、単なる脇役ではなく、ベルベッチカたちが「普通の暮らし」を取り戻していくための大切な存在になっていますね。
そして最後のルートヴィヒ王子の来店。
第1話では処刑を止めた人物、第2話では店を整えてくれた人物でしたが、今回は初めて「お客さん」として香水屋を訪れることで、ベルベッチカたちの新しい人生が本当に始まった感じがしました。
敵国の王子と滅びた帝国の皇女という、本来なら交わらないはずだった二人が、小さな香水屋で同じ時間を過ごしている。その対比がとても美しいです。
特に最後の「世界でいちばん大好きな妹の、最高の笑顔が見られた」という部分は、ベルベッチカが求めていたものが何なのかを改めて感じさせる場面でした。
これは戦争や魔法の物語でありながら、根底にあるのは「誰かを大切に思う気持ち」なのだと思います。
香水という目には見えないものを通して、人の記憶や感情を繋いでいく物語になっていて、これからこの小さな店にどんな人が訪れ、どんな悩みや想いが持ち込まれるのか、とても楽しみになる回でした。
作者からの返信
嬉しすぎます……!香水屋さんを支えるエレオノーラと、彼女無しには生きられないベルベッチカ。二人の関係性を見抜いていただき、嬉しさしかないです!
【第2話.香水屋、開店】への応援コメント
第1話で壮大な戦争と処刑寸前から始まった物語が、第2話では一転して「日常を取り戻していく物語」へと変化しているところが、とても印象的でした。
特に面白いと感じたのは、ベルベッチカがただの「元敵国の皇女」ではなく、ひとりの普通の少女として描かれている部分です。
前話では、処刑台に立ちながら冷静に災害を見抜く知性と、魔族の姫としての威厳を見せていましたが、今回は香水作りに夢中になりすぎて部屋を散らかす、妹に叱られる、という人間味あふれる姿が描かれていて、そのギャップがとても魅力的でした。
特にエレオノーラとの姉妹関係が素敵ですね。
ベルベッチカは特殊な能力や知識を持つ存在ですが、生活面では妹に支えられている。その関係性が一方的な主従ではなく、本当に家族として描かれているので、二人が戦争を生き延びた重みがより伝わってきました。
また、香水屋を開くという展開も、この主人公だからこそ成立する設定だと思いました。
戦争を題材にした作品では、復讐や力による解決へ進むことも多いですが、この物語では「香り」という優しいものを通じて、人の心や記憶に触れていく方向へ進んでいる。その選択がベルベッチカという人物の本質を表しているように感じます。
ナターリヤとの過去の回想も、とても印象に残りました。
幼いベルベッチカに対して、目が見えないことを特別扱いせず、一人の姫として接していた彼女の存在が、今のベルベッチカの考え方の根になっているのが伝わります。
「魔族も人間も変わらない」というテーマが、単なる綺麗事ではなく、幼少期の経験や大切な人との交流から生まれた価値観として描かれているところが良かったです。
そして最後のルートヴィヒ王子の登場も素晴らしいですね。
第1話では敵国の王子と魔族の皇女という立場だった二人が、第2話では店を整えるために手を貸してくれる関係になっている。その変化が急すぎず、前話で築かれた信頼の延長として描かれているのが自然でした。
「英雄」としてではなく、「困っている人を放っておけない人物」として描かれているルートヴィヒの優しさも、この作品の温かい雰囲気に合っています。
戦争の傷跡を抱えながら、それでも新しい生活を始めようとするベルベッチカたちの日常が、とても丁寧に描かれた回でした。
これから香水屋を通じて、どんな人たちと出会い、どんな香りが人々の心を変えていくのか。ベルベッチカの「調香師」としての力が、戦いではなく平和のためにどう使われていくのか楽しみになる話でした。
作者からの返信
ありがとうございますー。はい、ベルベッチカのポンコツさが描けていたようでうれしい限りです!ルートヴィヒも、ほっとけない、いい奴なんです……!
【第1話.銃殺刑の姫君】への応援コメント
壮大な戦争後の世界を舞台にしながら、冒頭から「魔族と人間の対立」という大きなテーマを、ひとりの少女の視点で描いているところがとても印象的でした。
特にベルベッチカという主人公の設定が非常に魅力的ですね。全盲でありながら、視覚ではなく匂いや振動から世界を読み取る「調香師」という能力が、単なる特殊能力ではなく、彼女自身の生き方や価値観に結び付いているのが面白いです。
普通なら処刑台に立たされた敗者の姫は、絶望や恐怖を抱く場面になると思います。しかしベルベッチカは、自分の死を目前にしても冷静で、むしろ周囲の人々が知らない災害の未来を見据えている。その余裕と知性が、登場した瞬間から「この人物は何かを隠している」と感じさせてくれました。
また、火山噴火という自然災害を利用した展開も良かったです。人間と魔族の憎しみ合いという大きな争いの中で、最初に両者を繋ぐきっかけになるのが「敵を倒す力」ではなく「命を救う知識」である点に、この物語の方向性が表れているように感じました。
ルートヴィヒ王子との対話も印象的でした。魔族だから敵、人間だから味方、という単純な構図ではなく、お互いが目の前の現実を見ることで少しずつ認識が変化していく流れが丁寧ですね。特に「瞳が違うだけで、お前たち魔族も人と同じ」という部分は、この作品の核心に近いテーマを感じました。
そして個人的に一番惹かれたのは、最後に明かされる「香水屋の物語」という着地点です。
処刑されるはずだった魔族の皇女が、戦争の英雄になるわけでも、復讐者になるわけでもなく、人々の中に紛れて香水屋を営む。その選択に、ベルベッチカという人物の優しさや強さが表れていると思いました。
華やかなファンタジー要素だけではなく、偏見や共存、過去の罪と向き合うことまで描かれていて、続きでベルベッチカがどんな人々と出会い、どんな香りで人の心を変えていくのか気になる導入でした。
作者からの返信
まずもって、長文かつ公開分全てへの感想、誠に、本当にありがとうございます。心よりの感謝を申し上げます。これより一話ずつ、お返事いたしますので、しばらくお待ちくださいませ。
第一話は力を込めました。ベルベッチカという女性をどうすれば魅力的に描けるかを考えて魂こめました。
そこを拾って頂き、本当にありがとうございます。
【第17話.車椅子の少年】への応援コメント
誰かに言ってしまうだけで周りの人が??
これはとんでもない状況になりそうですね。
作者からの返信
そんなに心配しなくても大丈夫です✨️元・みなしご1人の問題ですから。彼女ならもう、自分のことは自分でできますから✨️
【第5話.王子が背負うもの】への応援コメント
面白い!香りを手がかりに、というのが新鮮で…ベルベッチカのキャラクターも好きです。職人気質な感じがコミカルで、シリアスな話なのにどこか可笑しみもあって…不審者スレスレの市場調査シーン、楽しく拝読しました。調香師としての矜持が動機なのも痛快ですね。
王子様も…奥方様との間に愛がちゃんとあったんですね。すれ違いが悲しくて…でも、お二人が話せて本当によかった。
でも、「お願いしますね、この人のこと」はどう受け取れば!?ベルベッチカはちょっと難攻不落がすぎるのでは!?とドキドキしています。読み進めるのがとても楽しみです!
香りって、思いのほか人の記憶や想いを媒介するものなのかもしれない、と読みながら思いました。
切なくもあり、温かさも残る、一人目のお客様でした。
作者からの返信
からももさん、いらっしゃいませ❣️一人目のお客さま、お気に召していただき、嬉しい限りです❣️今後とも、ベルベッチカのこと、どうぞよろしくお願いします🙏✨️
【第2話.香水屋、開店】への応援コメント
ベルさん、戦犯として処刑されそうになっていたとは思えないほど、明るくてサバサバした女性ですね!
とても魅力的です!
妹のエレオノーラさんとの掛け合いも、すごく微笑ましく感じました。
王子も気さくで、お掃除まで手伝ってくれるなんて、いい人ですね!
ナターリヤさんとの思い出。
そして、ゼラニウムの効能を説明したときの「人」という言葉から、
「人も、魔族も変わらない」という考えに至るところが、とても印象的でした。
実はわたし、春にゼラニウムの匂いが気になって、花屋さんへ行ったんです。
そこで匂いを嗅ぐのに夢中になって……
後ろにいた方と、お尻合いになってしまいました🤭
でも、穏やかに「ごめんなさい」と言い合えたのも、ゼラニウムの効能だったのかもしれませんね!
作者からの返信
単糖類さん、いらっしゃいませ❣️はい、ベルベッチカは命にあんまり頓着しない、あっさりめの性格です✨️ゼラニウム、好きなんです❣️可愛いエピソードも、ありがとうございます✨️ぜひ、ごゆっくりなさっていってくださいませ😊
【第3話.はじめてのお客さま】への応援コメント
成長が感じられていいですね。
作者からの返信
いらっしゃいませ❣️ありがとうございます❣️ベルベッチカも、エレオノーラも、ゆっくり成長していくのです✨️どうぞ、ごゆっくりなさっていってくださいませ❣️
【第9話.ガラス片に遺されたもの】への応援コメント
おお、これはベルベッチカちゃんのことをよく知ってる犯人さんからの挑戦状ですね。
新しい匂いをわざわざ残すことでベルベッチカちゃんにメッセージを送っている?
作者からの返信
どうでしょうか❣️一応決まってはいますが……どうぞお楽しみに❣️
【第1話.銃殺刑の姫君】への応援コメント
キャラも場面も、とても魅力的で引き込まれる1話でした!
作者からの返信
まるみさんいらっしゃいませ❣️ありがとうございます❣️お星様も嬉しいです✨️一話目をお褒めいただくと、嬉しいものですね❣️
【第4話.思い出のクローバー】への応援コメント
私の自主企画にご参加いただきありがとうございました。
論理的な調香術と、匂いで真実や霊的なモノまで「視る」能力の掛け合わせが面白かったです。
ルートヴィヒ王子の背後に見えた不穏な影など、今後の謎めいたストーリー展開からも目が離せません。
★★★をおいていきます。
よろしければ私の作品にも遊びに来てください
作者からの返信
詠み人知らずさん、いらっしゃいませ❣️そして、お星様ありがとうございます❣️ぜひ、今から遊びに行こうと思います。よろしくお願いします‼️
【第2話.香水屋、開店】への応援コメント
ああ、なんか香水屋さんいいです。
作者からの返信
源三郎さん、いらっしゃいませ❣️なんか良いですよね、わかります✨️香水屋さん、行ってみたいですよね❣️
お星様も、ありがとうございます❣️
どうぞ、ゆっくりしていってくださいませ😊
【第2話.香水屋、開店】への応援コメント
1話目と2話目での、ベルベッチカ様のギャップにハートを撃ち抜かれました……!
作者からの返信
難波さん、いらっしゃいませ❣️はい、本来はフランクな、2話目の喋り方となっております✨️マイペースなお姫様なのです❣️
【第2話.香水屋、開店】への応援コメント
きっと素敵なお店なんでしょう! 訪れてみたいですね
作者からの返信
玉菜さんいらっしゃいませ❣️はい、ベルベッチカによる不可思議の香水屋になります✨️ぜひお買い求めを♡
【第2話.香水屋、開店】への応援コメント
ルートヴィヒ第一王子くんにめちゃくちゃ面倒見てもらっていたのに思わずクスリとしました
キャラの性格がきちんと決まっているので、登場人物一人一人がすごく生き生きとしているように感じますね
やっぱり、まじゅ先生の作り込みはすごいです( ´ ▽ ` )
作者からの返信
ルートヴィヒ、面倒見がいいんです🤣
奔放なベルベッチカとは正反対ですね❣️
ありがとうございます❣️
【第1話.銃殺刑の姫君】への応援コメント
一話から物語に引き込まれてしまいました。ベルベッチカちゃんの匂いを嗅ぎ取る能力を最大限に生かした展開。素晴らしいですね。
作者からの返信
リコさんいらっしゃいませ❣️お褒めにあずかり、光栄です✨️ぜひ、ゆっくりしていってくださいませ❣️
【第26話.別離】への応援コメント
ここまで読ませて頂きました。
匂い。
それが物語を牽引し、重要な鍵になっていて看板に偽りのない物語でした。
内面描写も丁寧で、★の多さに納得です。
こう、個人的な、勝手な感想なのですが、匂いに敏感ということからベルベッチカさんの頭に犬耳を幻視してしまっています。
いや本筋と関係なくて申し訳ない。
追わせて頂きますので執筆頑張ってください。
作者からの返信
ずーまんさん、いらっしゃいませ❣️お星様、レビューもありがとうございます❣️犬耳ベルベッチカ、いいですね❣️可愛くて見てみたい✨️これからもよろしくお願いいたします❣️