概要
その子の正体を知れば、世界はきっと敵になる。
「魔物飼い」と蔑まれ、村で一人暮らしていた十二歳のフィンは、食い詰めた末、龍の卵を盗んで売り飛ばそうと、山の奥へ登った。
そこで出会ったのは、瀕死の白い龍だった。国王軍の襲撃を受け、絶命を待つばかりの、シュノの母——カグラ・ネーヴェ。
盗みに来たと打ち明けたフィンに、龍は言った。「生かせ」。それが、託された最後の言葉だった。
孵った子——シュノは、白銀の髪と琥珀の瞳を持つ、龍の子だった。
世界は、龍を悪と信じている。英雄が討った太古の敵、討たれて当然の生き物。絵本の中で、酒場の話で、村人の口で、龍は「世の中の害」として語られ続けている。
だからフィンは、シュノの角を帽子の下に隠して、育てた。「ふぃ」と呼ぶ、たどたどしい声に応えながら。粥を炊く、布を替える、抱いて歩けば寝る、ということを、一つ
そこで出会ったのは、瀕死の白い龍だった。国王軍の襲撃を受け、絶命を待つばかりの、シュノの母——カグラ・ネーヴェ。
盗みに来たと打ち明けたフィンに、龍は言った。「生かせ」。それが、託された最後の言葉だった。
孵った子——シュノは、白銀の髪と琥珀の瞳を持つ、龍の子だった。
世界は、龍を悪と信じている。英雄が討った太古の敵、討たれて当然の生き物。絵本の中で、酒場の話で、村人の口で、龍は「世の中の害」として語られ続けている。
だからフィンは、シュノの角を帽子の下に隠して、育てた。「ふぃ」と呼ぶ、たどたどしい声に応えながら。粥を炊く、布を替える、抱いて歩けば寝る、ということを、一つ
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