高層ビルの隙間にひっそり佇む「めし処・想庵」。暖簾をくぐれば、店主が作るのは豪華な料理ではなく、白米と味噌汁、香の物、そして気まぐれのだし巻き──ただそれだけ。けれど、その“ただ一杯”が、訪れた人の胸に積もった思いや疲れをそっと溶かしていく。メニューはなく、客の「いつかの一杯」を作るという不思議な店。赤ちょうちんの灯りに誘われるように、今日も誰かがふらりと腰を下ろす。都会の喧騒のすぐそばで、静かに心を休められる場所がある。そんな温かい屋台の空気を丁寧に描いた、読後にやさしい余韻が残る物語です。
月並みな表現ですが改めて料理の力って素晴らしいなと思える暖かい作品でした。誰にも苦しい時や悩む時はありますがそんな時こそ「いつかの一杯」が心を温めてくれるのかもしれません。「めし処・想庵」に僕も来店してみたい。そしたらまた祖父のお粥が食べられるのだろうか。そう思わずにはいられませんでした。
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