概要
侯爵令嬢リーリヤは、五年間、王宮の外交宴の花飾を担当してきた
侯爵令嬢リーリヤは、五年間、王宮の外交宴の花飾を担当してきた。隣国との宴では、花の配置が外交言語となる。バラの本数で誠意を、ジャスミンの位置で歓迎を、ラベンダーの香りで安堵を伝える——花言語《フローリオグラフィー》。三百回分の宴の花譜を、誰にも告げずに編んできた。「お前の花選びなど侍女の遊び。誰でもできる仕事だ」婚約破棄の宴で王妃が放った一言に、リーリヤは花譜を置いて去る。翌日、隣国から馬車が一台、訪ねてくる。隣国の使節長カイル・フォン・ハルブシュタインが、五年分の花譜の写しを抱えていた。「五年、私は王宮の宴で花の配列を読み続けていました。あなたが編んでくれた『ようこそ』『安堵』『友愛』を、私は毎回受け取っていました」彼の手の中には、リーリヤが配置した花の写生と、それぞれの意味の解読メモがあった。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?