概要
神託の儀の最中、幼き少女――皇帝ミナリアに、刃が向けられた。
禁忌の神域で剣を抜いた帝国最強の近衛騎士団長アラミスは、彼女を守るため大神殿を占拠し、叛臣の汚名を被る。
その報せを受けた弟リードは、兄の真意を信じ、異民族の少女戦士ウルカとともに動き出す。
さらに、策謀を巡らせる美貌の公爵シリル、薬理に通じる太陽の聖女ヘレナらも、それぞれの使命を胸に帝国の盤上へ加わっていく。
剣を振るう者、策を巡らせる者、傷ついた民を立ち上がらせんとする者。
強力な仲間たちがそれぞれの戦場で動き出す中、リードとウルカもまた、陰謀の核心へと駆けていく。
これは玉座を奪う物語ではない。
幼き皇帝を、そして玉座を守るた
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!玉座を守るために、次は誰が何を捨てるのか
物語は中盤。だから続きを読みたくなる。単純にそんな話ではない。
忠実な騎士が叛臣と呼ばれ、法を愛する男が法に食われ、人を消耗品と見た女がその「数」に押し潰される美しい皮肉が詰まっている。
この作品『叛臣よ、玉座を守れ』は剣と政治を並べた歴史だけではなく、欲望も、情報も、すべて戦力として同じく扱っていく。人が選択していく。
アラミスは敵を斬り、シリルは敵が斬られる場所を作る。
ヘレナは傷ついた民を立ち上がらせ、イザベラは人間の欲望を変えていく。
ジュリアンは偏りを法へ変え、幼い皇帝ミナリアは、まだ玉座に座るだけで、帝国全体の正統性を支えている。
この物語の勝利条件は単純な簒奪阻止では…続きを読む - ★★★ Excellent!!!卒業の朝、運命は激変する――! 怒涛の王道ファンタジー開幕!
冒頭の爽やかな「卒業の日の朝」が、号外一枚で一気に極限の緊張状態へ塗り替えられる展開に、ぐっと引き込まれました!
リードとウルカの二人が見せる、卒業直後の高揚感と、直後に突きつけられた「兄の大逆」という現実の対比が鮮やかです。物語の幕開けとして完璧な引きでした。リード自身が「兄に限ってそんなことはない」と信じているからこそ、周囲の領民たちの冷ややかな視線や、門番の困惑がより一層際立っており、読んでいるこちらもその緊迫感に心臓がバクバクしました。
特に、重苦しい状況でもウルカが放つ「あの兄さんならリードを吊って大神殿前にぶら下げたら出てきそう」という冷静すぎる(そして恐ろしいほど的を射た)ツッ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧倒的な筆力で描かれる「本格派ハイファンタジー」
私の好きな、昨今のWeb小説のトレンドとは一線を画す作品です。
※私のおすすめレビューの半分は、トレンドに一石を投じる作者様たちが多くなってきたかも……。
本作の魅力は、徹底的に作り込まれた神話の設定、法制度、さらに地理までであり、その筆力は、情景描写にまで及びます。
読みやすいというのは、情報量を少なくすることではなく、取捨選択と表現の幅が美しい調和となって得られるものだと、教えてくれる作品です。
キャラクターに関しては、感情をあまり表に出さないものの、帝国の重責を背負い深く思考する幼き皇帝ミナリア、ヴァルフレイ家の次男リードやウルカ、ヘレナ、謎めいた公爵など、多くのキャラクターに舞…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~「叛臣」の汚名を被ることで、忠義を証明する ~
魔法なしの政治群像ファンタジーという選択がまず誠実だ。神託の儀という神聖な場で幼き皇帝に刃が向けられ、それを守った騎士団長アラミスが逆に「叛臣」の汚名を被るこの出発点の捻れが、レビューで触れられている「衝撃の号外」という評にふさわしい緊張感を生んでいる。
弟リードと異民族の戦士ウルカ、策謀の公爵シリル、薬理に通じる聖女ヘレナ三大公爵家のパワーバランスを軸にした群像構成が丁寧に積み上げられている。日本神話と西洋風帝国を織り込む世界観の作り込みも、AI不可・テンプレ回避という著者の方針と一致して、じっくり読ませる骨太さを感じさせる。
汚名を被ってでも守りたいものがある、という忠義の形表向きの…続きを読む