概要
幼き皇帝を、そして玉座を守るための、剣と策謀、そして人の愛と尊厳を問う物語。
日本神話・歴史モチーフを西洋風の架空帝国に織り込んだ、魔法なしの群像政治活劇。
神の声を聞く器として幼帝を擁立し、元老院が実権を握るアステリア神聖帝国。
その神託の儀の最中、幼き皇帝ミナリアに刃が向けられた。
彼女を守るため、禁忌の神域で剣を抜いた帝国最強の近衛騎士団長アラミスは大神殿を占拠し、叛臣の汚名を被る。
その報せを受けた弟リードは、兄の真意を信じ、異民族の少女戦士ウルカとともに動き出す。
さらに、策謀を巡らせる美貌の公爵シリル、薬理に通じる太陽の聖女ヘレナらも、それぞれの使命を胸に帝国の盤上へ加わっていく。
剣を振るう者、策を巡らせる者、傷ついた民を立ち上がらせん
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!その「正しさ」は、誰を救い、誰を傷つけるのか――
「叛臣」と呼ばれた帝国最強の騎士が、幼き皇帝を守るため、禁じられた神域で剣を抜く。
その鮮烈な始まりに惹かれて読み進めたはずが、気づけば私は、まったく別の問いから目を離せなくなっていました。
――正しいとは、いったい何なのだろう。
この物語には、それぞれに信じるものを持った人々が登場します。
剣で守る者。
言葉や情報で道を切り開く者。
傷ついた人を、もう一度生へ繋ごうとする者。
法を信じる者。
そして、誰かを救いたいという願いそのものが、いつしか歪んでしまった者。
誰もが、自分なりの理由を抱えて動いている。
だからこそ、敵だから間違っている、味方だから正しい――そんな単純な線では…続きを読む - ★★★ Excellent!!!玉座を守るために、次は誰が何を捨てるのか
物語は中盤。だから続きを読みたくなる。単純にそんな話ではない。
忠実な騎士が叛臣と呼ばれ、法を愛する男が法に食われ、人を消耗品と見た女がその「数」に押し潰される美しい皮肉が詰まっている。
この作品『叛臣よ、玉座を守れ』は剣と政治を並べた歴史だけではなく、欲望も、情報も、すべて戦力として同じく扱っていく。人が選択していく。
アラミスは敵を斬り、シリルは敵が斬られる場所を作る。
ヘレナは傷ついた民を立ち上がらせ、イザベラは人間の欲望を変えていく。
ジュリアンは偏りを法へ変え、幼い皇帝ミナリアは、まだ玉座に座るだけで、帝国全体の正統性を支えている。
この物語の勝利条件は単純な簒奪阻止では…続きを読む - ★★★ Excellent!!!卒業の朝、運命は激変する――! 怒涛の王道ファンタジー開幕!
冒頭の爽やかな「卒業の日の朝」が、号外一枚で一気に極限の緊張状態へ塗り替えられる展開に、ぐっと引き込まれました!
リードとウルカの二人が見せる、卒業直後の高揚感と、直後に突きつけられた「兄の大逆」という現実の対比が鮮やかです。物語の幕開けとして完璧な引きでした。リード自身が「兄に限ってそんなことはない」と信じているからこそ、周囲の領民たちの冷ややかな視線や、門番の困惑がより一層際立っており、読んでいるこちらもその緊迫感に心臓がバクバクしました。
特に、重苦しい状況でもウルカが放つ「あの兄さんならリードを吊って大神殿前にぶら下げたら出てきそう」という冷静すぎる(そして恐ろしいほど的を射た)ツッ…続きを読む