寂しい物語でした。猟奇的な文章の裏側でずっと"名無しの女"が叫んでいたように思います。名前もなく、肉体もなく、外に出る術もなく。自分を肯定してくれる名前もない。男として必死に取り繕って、生まれてしまった世界で生き延びるために擬態を繰り返す。
『産んだのは、お前らだ』って言葉が本当に苦しくて"名無しの女"を抱きしめたくなりました。
名前とは肩書きみたいなもんだと私は捉えております。名前が感情を起動させる。そんな感じです。呼ばれて、身体が反応して、だから血が通う。私生活、仕事、SNS、読者、物書き。私も場面ごとに立場を変えていますが、"名無しの女"ほど壊れなかったのは血の通った本来の名前があるからだろうなと、自分を俯瞰していました。
彼女も、直樹じゃなくて女の子らしい名前をつけて貰えたら、また違った在り方を探せたかもしれないと読後感に浸っております。
私、バイオレンスな作品は苦手ですが(穏美さんのホラー作品がおっかなくて寝れなかった時があるお)こうした視点で読むとまた違った味わいがあるんだなと文学の奥深さを体感できて嬉しく思います。面白かったですありがとうございます。
作者からの返信
しろっこにーさま、コメントありがとうございます。
名前って大事ですよね。それを依代に人格が形成されていく気がしています。
はたして名前を与えられず、誰にも呼ばれず、人は人としての心を保てるのか。
大切な相手の名前は、「おい」や「なぁ」、「君」や「あなた」ではなく、ちゃんと呼びたいですね。
バイオレンスな作品が多くてすみません💦
いつか爽やかな物語を……:(っ`ω´c):グヌヌ
まずは企画に参加頂きましてありがとうございます!おお…まさか鋏池さんに書いていただけるとは…。と思って開いたらこれですよ。本当にドS。小説家としての執着が一個人、しかも肉体として存在しない精神体になっており全部内側を向いたキャラなのでどういう役割を作るか結構悩ましいところです🤔とはいえ、魂としてはかなり面白い存在…。しばし模索させてください。ちなみに鋏池さんのこのキャラ、私の作品での使用は大丈夫ですか?😂
作者からの返信
住吉スミヨシさま、コメントありがとうございます。
楽しそうな企画でしたので、ついヘッドスライディングで飛び込んでしまいました。
作中のキャラですが、使っていただけると嬉しいです。穏美が増殖すれば、幸人が殻を破るかもしれませんしね。
すごい、自意識が爆発してる、文学テイストいっぱいな作品で感動しました。
ツカイケさん、美容系の会社の経営って言ってるから「エステかな」と思ってたのですが、やっぱりエステサロンだったんですね。
そして殺されてしまった。
実を言うと、今回のタイトルを見て「死体のない殺人」というから、「……ああ。胃袋の中に(察し)」とか想像してしまってました(笑)。
作者からの返信
黒澤 主計さま、コメントありがとうございます。
レビューでのウィングネタ、ありがとうございます 笑
エステサロンは……、どうなのでしょうね。なんたってフィクションですし、キャリーケースに死体なんて入ってないですし、まあ見つからなければ存在しないとの一緒ですので……。
私が、私達が!!穏美だ!!
への応援コメント
没入感がすごい…!じっとりとした湿度に引き込まれるように、するすると最後まで読んでしまいました。
周囲の性別不合への無理解から、過剰な男性性を獲得しようとして女性を軽視するような行動をとっていく流れも、とても腑に落ちました。痛々しいのに、どこか理解できてしまう感じがあって……。
読み進めながら、「死体がない殺人」とはそういうことか!と気づかされ、ラストでまた「え!」となって、読んでいてずっと楽しかったです。
「信頼できない語り手」という言葉だけでは足りないような、揺さぶられる読後感がありました。
作者からの返信
からももさま、コメントありがとうございます。
周囲から理解されないというのはつらいですよね。それと同じく、こうあるべきだと押し付けられることも。
この度は最後まで目を通してくださり、嬉しいお言葉までありがとうございます。