人間として生きていた頃、自分の人生を自分で選ぶことを避け続けてきた主人公が、ついには自分では一歩も動けない「椅子」になる。その構図がおもしろかったです。誰かに使われ、誰かに動かされるしかない椅子という存在が、もともと受動的だった主人公の生き方と妙に重なって見えました。最後には完全な「物」となり、他人に使われた末に壊されてしまう。それでも人間に戻りたいとは思わず、次も椅子になりたいと願っているところに、強い皮肉を感じました。
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