概要
私を追放した。違う。出て行くの。そうだよね、リリス。
神様は慰謝料にハサミをくれた……。
楽園を追われたリリス。時代を超えてその「錆びないハサミ」を手に入れたシングルマザー。復讐と共に生きることができるだろうか。ハサミと、追放された女達が紡ぐ、再生の物語。
楽園を追われたリリス。時代を超えてその「錆びないハサミ」を手に入れたシングルマザー。復讐と共に生きることができるだろうか。ハサミと、追放された女達が紡ぐ、再生の物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!女たちは、切ることで生き延びる。
神話のリリスと、現代を生きるひとりの母親。遠く離れた二つの時間が、一丁のハサミによって静かに重なっていく構成が見事でした。
「切る」という行為が一貫しているのがお見事です。
神話的な大きさを扱いながら、足場がきちんと生活にある点に惹かれました。
口紅、写真、制服、肉まん、取れかけたボタン。そうした小さな現実の積み重ねがあるからこそ、リリスの記憶が流れ込む場面も浮かず、むしろ痛いほど自然に読めました。
復讐や怒りそのものを前面に押し出すのではなく、女が女の絡んだ糸をほどき直す物語として着地している。
暗さ一色では終わらない読後感です。傷は深いのに、最後には確かに体温が残る。
神話の引用に溺…続きを読む