このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(360文字)
護衛と姫君、というタイトル通り、想いを伝えることが立場的に許されない関係の二人の物語です。さまざまな雨を背景に物語は進み、気の強い可愛いお姫様が、たくましいのにうまく力も抜けた、しなやかな強さを身につけた女性に成長したのが印象的でした。三話で完結なので語られなかったエピソードもきっとあるでしょう。個人的に気になるのは、姿は登場しなかったある男性。きっとこの人も優しい人だったんだろうなぁ、と思ったり。ヒーローである護衛騎士は愛嬌があるのです。もっと見ていたかったなぁとか。余韻の残る素敵な物語でした。
姫様と護衛騎士、その主従関係が形を変える前に、姫様の婚約は結ばれ、騎士は永遠の別れを告げる――はっきりした形になる前の淡い恋が、美しい描写とともに静かに描かれています。二人の運命は雨とともにあり、それぞれの雨の風景が物悲しくもそれぞれ印象的でした。別れに悲しむ涙のような雨。夢の再会を惜しんでにじむ雨。淡いヴェールのようにやさしい雨。淡くにじむような淡く儚い恋模様、けれど雨が土に染み込むようにじんわりと心に届く恋のお話でした。
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