第5話

シャワーを済ませてお風呂場から出ると、俺はみーちゃんの髪の毛をドライヤーで乾かした。


みーちゃんは恥ずかしそうに顔を下に向けて、終わるのを待った。


だいたい乾くとおれはドライヤーを止めて、みーちゃんのうなじにキスした。


「っ…」


みーちゃんが肩を上げて縮こまった。


「ね…ねぇ、本当にお兄ちゃんは、私のこと好き?」


「うん」


「あっ…で、でも…まだ…信じられなくて…夢見てるのかなって…」


「まだ実感わかないの?」


「うん」


「たくさん、愛してあげるから大丈夫。すぐ信じられるよ」


俺はうなじに何度もキスを落とすと、手をみーちゃんのおへその下に置いた。


「信じられるまで、ここ、トントンしてあげるからね」


「…///っ」


「みーちゃん大好き。はい、早く綿貫に別れてって連絡してー」


俺はみーちゃんにスマホを渡した。


「綿貫くん、知ってるの」


「え?」


「告白してくれた時にね、私はお兄ちゃんのことが好きだから無理って断ったらそれでもいいよって言ってくれて」


「へぇ。健気だね、綿貫。」


でもアホだな。

俺が相手とわかっていながら、二番手として付き合って、いつかはみーちゃんを振り向かせようとしたなんて、舐められたもんだ。


みーちゃんがスマホで文字を打ち始めると俺は、みーちゃんの体に巻きついていたバスタオルを剥ぎ取って床に落とした。


「あっもう少し待って、まだ全部打ってないから」


「知らない」


俺はみーちゃんの体を好きなように撫で回していった。


画面を見ると綿貫への謝罪の文字が綴られていて、鼻で笑いそうになった。



俺なんて11年もみーちゃんといるっていうのに。


ポッと出のお前が出しゃばるなんて図に乗るなと綿貫に言いたい。


俺だけを見れるように、俺だけしか見れなくなるように節穴に育てていった妹によく手を出そうとしてくれたな。


「…お兄ちゃ…やめ…」


「さすがに初めてはこんなところで立って最後までシないから大丈夫。一回むかえてからね、俺の部屋いこうね」


「…やぁっ…」



もう一つ腹立つのが、俺は妹の代わりのセフレはちゃんと妹と似たような背丈で髪型も同じにさせて完全に″身代わり″にしたのに、綿貫は俺と似ても似つかなかったことだ。


「みーちゃん、俺への当て付けで綿貫と付き合ったと思ったけど、もしかして逆に諦めようとして俺と正反対のやつを選んだ?」



「…」


みーちゃんは俺と目を合わさなかった。


ああああ、腹が立つ。


「許さないよ」


俺は果てたみーちゃんを抱き上げると部屋に連れて行った。


初めては優しくしてあげようなんて思ったけど気が変わった。


痛みがあった方が今日のことを忘れずにいられるだろうし、手加減はしないことにする。


大学中退は可哀想だから避妊はしてあげるけど…


「罰を与えないとね」


俺から離れようなんて思った罪は重い。


一生逃れられないんだからね、きっと出会ったあの日から、もうみーちゃんの運命は決まっていた。



「みーちゃん、世界で一番大好き」





俺の妹は可愛い。



(おわり)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺の妹は可愛い。 みずか🎼 @kinouemizuka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画