第2章 第15話 修行終了

詩織達がアッサーラムに辿りついてから半年が経った。


清川「たぁ〜」


清川の強烈な一撃にあばれ猿は一瞬にして倒された。


片桐「炎の精霊よ、私に力を、ベギラマ〜」


片桐はバリイドドッグの群れに向けてベギラマを放った。

杖から放たれた巨大な炎の渦がバリイドドッグ達の体を包みバリイドドッグ達は絶命した。


そして詩織もまた空を飛ぶキャットフライを斬り倒していった。


虹野はそんな3人を暖かい目で見つめていた。

すっかり傷の手当やサポートをする事がほとんど無くなった為、戦闘に参加する事が減っていた事を残念に思ってはいたが大切な仲間達がたくましく成長していくのを見ると嬉しく思っていたのである。


そうしてその日の修行が終わると酒場で夕食をとった。


清川「それにしても時が経つのは早いね。私達がこの世界にきてもう2年半くらい経つのか」

虹野「そうね、本当に早いよね」

詩織「清川さんや虹野さんは私達と会うまで何していたの?」


清川「私は一緒に住んでいた師匠から武闘家としての技とか戦い方とかを教えてもらう日々だったよ。とても厳しい修行だったけどね」


虹野さん「私はその人から一人前の僧侶になるには、教会に行って神父さんやシスターから僧侶としての生き方を教えてもらうのが一番と言われて教会通いしていたわ。そこで神様へのお祈りとか経典の勉強、信仰心を高める修行とか大変だったわ」


詩織「そうだったのね。2人とも苦労していたのね」


清川「確かに苦労はしていたけど、一度も嫌だとは思った事はなかったよ。な、虹野さん」


虹野「ええ、全ては自分の為と街の人達の為だと思っていたから」

清川「それで藤崎さん達はどうしてたんだ?」


詩織「私はアリアハン城の女兵士長のクリスさんって人から每日每日剣の稽古をつけさせられていたわ。時にはアリアハン周辺のモンスターとの実戦訓練もあったわね」


片桐「私はただひたすら魔法力を高める為に魔法使いとしての修行をしていたわ」


清川「そっか、藤崎さんも彩子も私達と同じだったんだね」


詩織「ええ、そうでもしないと私達はこの世界では生きていけないもんね」

清川「確かにそうだな」


片桐「でもそろそろ次の街目指して旅を再開してもいいんじゃない?修行も充分したし」


清川「う〜ん、そうだな〜、虹野さんはどう思う?」

虹野さん「私もそろそろいいんじゃないかと思うわ。私含めみんなかなりレベルアップしたもんね。

ただ、出発するのは今の時期は避けた方がいいと思うわ。旅の途中で猛吹雪とかなったら大変だしそんな時に砂漠地方に行くのはとても危険だと思うの。たからもう1カ月くらいは様子をみましょう」


清川「確かにそうだな」


清川達3人も虹野の意見に賛同し旅に出るのを遅らせる事にした。

それから4人は、雪が納まる間、町中で鍛錬や、モンスターについて勉強したり、新しい魔法を習得するために瞑想するなど、自らを鍛えていった。

そして年が明けると、天候が落ち着いてきたので、装備を充実させ旅に出る準備を整えるとイシスのお城を目指して旅に出た。


第2章完 第3章へと続く




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