第2章 第14話 別々の道

?「早乙女好雄、聞こえるか、私だ」

好雄「またあんたか、あんたは一体誰なんだ?それに俺をこの世界に飛ばして一体何がしたいんだ?」


?「私はそなたの情報力が気に入った。

そこでそなたにはこの世界で情報屋となって色々な情報を集めてもらいたい」


好雄「なんだって俺が情報屋に?」

?「そうだ。その為に必要な力を授けよう」


好雄「そいつはそういうと俺に色々な特殊な力を与えてきたんだ。モンスターに見つからずに旅を続ける能力、危なくなった場合は一瞬にして遠くの場所に移動できる能力、そして相手の素性や性質を見抜く能力、少しだけ未来を見通す能力とかな」


清川「凄い、そんな力を」

好雄「まぁ俺にはモンスターと戦う力なんて全く無いから見つかったら逃げているけどな。それで俺は色々な街を渡り歩き情報を集めてきたんだ。そして困っている人がいたらある程度の情報代をもらって色々助力してきたんだ。こっちも命がけの旅をしているし每日の生活もあるからな。

それに旅を続けていればいつかどこかの街で詩織ちゃん達に会えると思っていた。でもまさかこのアッサーラムの街で会えるとは思わなかったけどな」


詩織「それで早乙女君はこれからどうするつもりなの?」

好雄「勿論これからもひっそりと旅を続けるつもりさ。まだ元の世界に戻れる方法も見つかってないし、それに俺の情報力を必要としてくれる人達がいるかもしれないしな」 

詩織「それじゃ〜私達と一緒に旅に出ない?危なくなったら私達が守ってあげるから」

虹野「そうよ早乙女君そうしましょう」

清川「遠慮なんてしなくていいからさ。私達は友達だろ?」 

片桐「そうそうそうしましょう」

好雄はそう言わると少し考えた。そして、


好雄「いや、止めておくよ。俺なんかいてもきっと足手まといだし、詩織ちゃん達に迷惑かかるしな。それに1人の方が身軽だし情報を集めやすいと思うんだ。だから俺は俺で旅を続けるさ。勿論詩織ちゃん達の旅に役立ち情報をできる限り集めておくよ。

縁があったらまたどこかの街で会おう」


詩織「わかったわ。でもくれぐれも無茶な事はしないでね。絶対に死んだりしちゃ駄目よ」

好雄「勿論さ。死んでたまるか。そうだ、今俺が知っている事を全て話すよ」


詩織達は好雄から色々な情報を得た。

このアッサーラムから西にある砂漠のどこかに美しい女王が納めるイシスという名の城があること。アッサーラムの街から少し離れた場所にバハラタという街がある事。

更にそのバハラタの街から北東にはダーマ神殿がある事を。そして世界中を旅するには船が必要な事を。ただその船がどこで手に入れられるかまでは分からなかった。その上、仮に手に入れたとしても航海術を身につけなければ話にはならないのである。

詩織達はとりあえず修行が終わったらイシスの城を目指すことにした。





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