あとがき

 現実においても、フィクションの世界においても「童貞を拗らせる」という言い方はよくありますが、不特定多数の相手と致すことを良しとする、所謂ヤリチンと呼ばれる男もまた、別の意味で拗らせている人って少なくないんじゃないでしょうか。っていうか男女問わず、他人の温もりを必要以上に求める人間って、どっか病んでるんだよな。

 というわけで、少なくとも僕はあまり読んだことのない「拗らせまくったヤリチン」のお話でした。最後に誰か好きな人と結ばれる、というのも綺麗な終わり方だけれど、そればっかりでもつまらないし、拗らせたヤリチンが誰か一人に相手を決めたら、それはまた別の方向に拗らせているだけなんじゃないか? というわけで、本作の主人公である金元拓巳くんは、義姉との間にあった拗らせを解いて、より純粋な(?)ヤリチンとなりましたとさ。めでたしめでたし。めでたくはないな。おっさんになってから、昔みたいに女の子に相手にしてもらえない頃になってから、また悩んだらいいと思う。パパ活とかしそうで怖いよ。ああ、それで言うとパパ活の話も書きたいな。歳を重ねても尚、若い女の子との恋愛関係を求めてしまう心の寂しさとか、カクヨムでWeb小説を読んでいる読者も共感できる人は少なくないと思う。

 本作の主人公、金元拓巳は元々、自作『ミサキ・モラル・クライシス』における間男として登場した人物でした。そんな彼がユウくん(ミサモラの主人公)とは違った形で拗らせた自意識で女の子達を相手にしていく様を描くのは、とても楽しかったです。ユウくんと金元は、童貞とヤリチンというだけでなく、かなり鏡合わせであるように作者は思っているわけですが、両作とも読んだ読者にはどう映っているんでしょうかね。

 また、本作は主人公の視点に終始しているため、静香や紫音といった女の子たち視点の話は大幅にカットされているわけですが、そこの話なんかもできればしたいところ。ま、彼女らの事情など、拓巳にはどうでも良いことなんですが。

 少し官能的に描き過ぎたせいでカクヨム運営から「このままだと作品公開停止」の通知をもらうなどの危機もありながら、完結まで漕ぎ着けることができました。

 自作の中でも、かなりヘンテコな本作を、ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

 また似たの書きます。楽しいので。

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契り契りて、かく語りき。 宮塚恵一 @miyaduka3rd

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