39話 体育館前に集いし原作キャラ達
ふぅ……何故こうなったんだ?
分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない、可笑しい、原作にこんな展開ねえよ!いつからエロゲは、バトル要素が取り入られたんだよ?!俺が殴られた回数知ってるか?
数えきれねえよ?!前世は、喧嘩の一つもした事ないのに今世では俺は、ボコボコなんだが?
凄い高頻度で怪我すんのぉ!
「あり……えないだろ!」
「どうしたの?」
お前だ、お前が主人公だぞ隆太郎?!
何でぇ?俺は、ただ普通に純愛して欲しかった
だけなのに…………こんなの間違ってるよ?
エロゲ世界で殴り合いが始まるのも意味分かんないし、そもそも普通にスタンガンを持ち歩くな!
どうなってんだよ!
「嫌……もう……何でもないよ?」
「そっか、これから始まるんだね!」
お前、何で嬉しそうなんだ?
俺は、ちっとも嬉しくないが?!
俺に喧嘩の技術なんてないんだからボコボコにされる!帰っていい?
「ふっ。やはり魁斗様は、素晴らしいお方!」
頬を紅潮させ、片膝をつき俺に祈りのポーズを捧げた。
「君、誰?」
本当に何方?こんな人居たか?
本当に今すぐ逃げたい。
ねぇ……恵梨香さん、俺は君に何かしたかな。
どうして俺がこんな目に遭うの?
俺は、今の状況に絶望して顔を真っ青にして
体育館前で座って膝を抱え込んだ。
「貴方は、何をしているのよ。」
「白石、俺帰っていい?」
「いいと思うかしら?
状況を見て判断しなさい」
俺説教されてる?もう駄目だ。
こいつらイカれてやがる!
俺が涙目で空を見上げていると別の方向から
声がした。
「紅玉、勝ったんですね。」
「桜、無事で良かったわ、何とかね。
魁斗君がいなければヤバかったわ。」
ヤバいのは、君達の頭です。
「何か失礼な事を考えなかった?」
な……何でバレたんだ?!
「そんな事は、ないぞ?」
「そ……別にいいけれど」
「魁斗!会いたかったぞ!
聞いてくれよ、小峠がよ!」
何か言ってるがもう俺の耳には入って来ない。
どうして俺は今から殴り合いを?
「ふっ。僕達が最後のようだねぇ?」
「魁斗君?ど………どうしたんですか?」
「ふん!魁斗君は、喜んでいるんだ!
今から恵梨香をぶっ飛ばせるからな!」
お前は、化け物だ!
人の形をした悪魔だよ。
「ねぇ………俺は、」
「行くぞ!」
駄目だ……誰も話を聞いてくれない。」
「かい……と君?」
また知らない人が出て来たぁ!
「えっと……?」
「そう………だよね、昔の事。」
「昔?
もしかして……雨の日に外に居た子?」
「あ………覚えてた。
嬉しい!凄く嬉しい!」
物凄い勢いで迫ってきて急に手を握り絞められてしまった。
「再開出来たのは喜ばしい事なんだがね、
喜ぶのは後にした方がいいよ?」
「ふん!あたしが全員潰してやるぜ!」
「お前は、引っ込んでろ!
俺は今回魁斗に呼ばれて今来た所だからな!
無傷なんだ!傷だらけの奴よりも魁斗を守れるぜ!」
俺ってそんなに弱いのかな?
「言い合いは、後にしてくれないか?
そ…れ…に!私の方が魁斗君を守れると思うが?」
「はぁ……貴方達、いい加減にしなさいよ?
もう少し協調性ってものをね」
「うるせえ、説教ババア!
お前何てどうせ魁斗にもそんな事言ってんだろ?
裏でウザイと思われてるに違いない!」
「なっ。
わ……たしが?う………ざい。」
顔を真っ青にして膝をついて何か呟いてるが
そんなのは、今はいい。
「皆…………協調性はあった方がいいんじゃ………ないかな。」
俺が控えめにそう言うと先程まで皆、言い合っていたのに態度が急変してしまった。
「そうだな!あたしは、小峠と仲良しだぜ?」
「ですね?私もつ……椿さんとは仲良しです!」
凄く嫌そうな顔してるし頬摘んだままだけど……
「そうだな、急ぐ必要はなかったな。」
先程まで藤堂に体を掴まれて居たのに
急に姿勢を正してその場に座った剣刃さん。
剣刃さん、無理があるよ。
何事もなかったかのようには、過ごせないだろ。
「そうね。私は、ウザイかしら?」
気にしてたのかよ。
「大丈夫だから、そんな事誰も思ってないって!」
さす俺!ここでフォロー出来るのが純愛を愛する者の証拠!
「そう。(別に貴方以外どうでもいいのだけど)」
「あぁ……魁斗様は何と神々しい!」
こいつは多分、頭可笑しいから関わらない方がいいかも。
「ふぅ。取り敢えず行こうかね。」
晴明がそう言って体育館の方を指差して言った時皆の雰囲気がガラリと変わった。
「行くか、(魁斗を学園から追い出すだぁ?
そんなのは俺が許さねえよ!必ず潰す)」
「ふん。(あたしの魁斗を悲しませておいて無事で
済むと思うなよ。)」
「えぇ。(魁斗君を罠に嵌めようとした事、後悔させてやる。)」
「行こうか!(魁斗君を悲しませる奴は、私が断じて許さない!)」
「う…うん!(僕が魁斗君を守るんだ!)」
「そうですね。(取り敢えず魁斗君を傷付ける人は消します)」
「は、はい!(私も頑張らなくっちゃ!)」
「うん(折角会えた……邪魔する奴許さない)」
「分かってますよ(魁斗様!魁斗様!魁斗様!)」
「あ……あーあ。(終わった)」
あのさ……君達は無意識なのかな?
俺を先頭にするの……やめてもらっていい?
後に行こうとすれば、白石に背中を押される。
止まればずっと手を繋いでる氷月?さんに
連れて行かれる。後に回る為に声をかけようとすれば有無を言わせず早く行けと椿が背中を叩いてくる。俺が何かを喋ろうとすればそれに被せるように
嵐雲さんが神だ神だと何か呟いて声が消される。
えぇ………これさ、俺の事虐めてる?
普通に全責任を俺に押し付けようとしてる?
そうとしか思えないんだけど?
「はぁ……」
俺は、どうなるんだろうか。
俺は天を見上げてこう願った。
頼むから俺を先頭にするのやめろ?!
俺はモブだからあぁぁぁぁぁぁ!
俺の心からの願いは誰にも届かないのであった。
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