25話 モブ ヒロインと勉強会ス?! その先は地獄でした。
俺は、神楽晴明に渡された紙に書いてあった場所に行ったんだ。何があったと思う?絶望だよ。
地面に縮こまって呪詛の様に呟いた。
純愛は?何で?……………レズは?
神よ、どうして俺にこの様な試練を与えるの?
俺は、顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらそう訴えた。純愛がこの先にあるんですか?
………………ふ……………
ふざけんな?!クソ神が!何が神だよ!
純愛神様は、俺を見捨てたんだ!
こんなにも純愛に命を捧げてきたと言うのに!
俺は、膝から崩れ落ちた。
絶望と恐怖の表情をそのままにして赤ちゃんのようにハイハイと地面を這いずりながら神楽晴明の家とは、逆方向に踵を返した。
なのに。神は、俺をもっと苦しめたいんだろう。
逃げる事を許してくれなかった。
「な…に…を…してるのかなあ?」
悪魔の声が俺の耳元で囁かれた。
来るな。辞めろ。俺に笑顔を向けるな。
頼む。許してえ!。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
いぎゃあああああああああ!
「ほら…皆が待ってるよ。」
そうして悪魔……神楽晴明は、俺の耳元で囁いた。
「僕をモンスター女何て言うからちょっとした
嫌がらせだよ、これに懲りたらもう少し僕に
優しくするんだよ?」
お前なんて…………お前なんて大嫌いだ!!!!
そうして神楽晴明に引きずられ家の前までやって来た。地獄に来た。純愛要素は、何処ですか?
「おい、やっと来たのか!」
「遅刻は、関心しないぞ?」
「あの、それよりもツッコミどころ満載じゃないですか?」
「あぁ♡その泣き顔………実に素晴らしいわ!」
「紅玉、落ち着いて?
彼は、どうして泣いてるの?」
「いやぁ~彼は、どうやら君達とあそび「やめてえ」
「もう……もう!これ以上俺を苦しめないでぇ!
今までの経験上それを伝えたら間違いなく死ぬ。
誰かは、ヒステリックを起こす。
誰かは、俺を殴る。誰かは、俺を笑う。
誰かは、自殺をしようとする。
誰かは、泣き喚く。
…………………俺が嫌いだと伝えたら間違いなく
俺以外にも被害が出てしまう。
モンスター女以外の何だと思えばいいんだよ?!
地雷しか持ってねえじゃん!
「何で…………俺は!
神楽晴明しか誘ってなかったよな?」
「あははっ。君は、馬鹿だね?
この、メンバーを裏切って君と二人っきりに
なったら多分。僕は、明日には、この世にいないかも知れないよ?」
俺を………俺を売りやがったなこの糞女!
「だからってえ!
何で俺が椿と剣刃さんと白石と小峠と藤堂と一緒に勉強なんて!あんまりじゃん。俺そんなに悪いことした?
「早く家の中に入りたまえ。
地獄の入り口へようこそ♡」
どうしてこうなったんだ?
嫌だ!行きたくない。こいつらと関わると
碌な事が起きないんだ。
結局家に上がり座布団の上に腰を下ろした。
「では、魁斗きゅんの成績を上げようの会、
始めようじゃないか!」
そう言えばここに居る皆って結構成績
良いんだよなぁ。
俺さ、女性恐怖症になっちゃうよ?
怖すぎる。俺の右には、椿と剣刃さんが頬を
引っ張りながら俺の隣は、自分だと主張している。
左には、小峠と藤堂がジャンケンをして取り合っている。それを見て愉快そうに笑っている神楽。
頼む。俺は、切実にそう願った。
勉強を…………勉強を誰か教えてくれ。
「はあ………何処が分からないのかしら?」
そうして俺の隣に腰を下ろしたのは白石だった。
「え?」
俺は、突然の申し出に困惑してすぐに返事が出来なかった。
「何よ、教えなくていいのかしら?」
「い、嫌!ここが分からないんだけど。」
「へ〜、いいわ。ここは、こうやってやれば
簡単に解けるわよ。」
「まじか、凄い分かりやすい!」
「そう?褒められるのは、悪くないものね」
あの………距離感間違ってるんで離れて?
「近付かないと貴方の紙が見えないでしょう?」
ぐっ。
「分かったよ。でも俺の体に触れる必要は、ないんじゃない?」
俺の肩に頭を置いてきたり分からない問題があった時質問をしたら胸を押し付けてくるのだ。
これどゆこと?意味分かんね。
普通に教えてくれても良くない?
「他所見してる暇が貴方にあるのかしら?」
「ご、ごめん。」
「別に良いわよ。次は、ここを解いてみて。」
そんな風に白石と勉強を始めて数時間が経過した。
流石に疲れて伸びをしたのだが。
「まだ………やってんのかよ。」
流石に引くんだけど?
クレイジーガール達は、今も俺の隣を巡って
争っている。本当に何やってんの?
てか、君達何をしに来たんだよ!
てか、もうこんな時間か。
「なぁ、そろそろ夜ご飯にしないか?
ご飯を食べて解散でいいんじゃね?」
「そうだね。誰が料理をするのかな?」
『『私が!(あたしが)!!!!』』
体を前に押し出して俺の目を見てそう訴えて来る。
え……何で俺の目を見んの?
俺に選ぶ権利は、ないだろ。
あるとすれば家主だろ?
そう考えた俺は、神楽の方を見たのだが
顔が…………物語っていた。
今………余計な口を挟んだら酷い目に遭う、と。
「どうすんの?誰が作るかもジャンケンで決める?」
「や……辞めよう!」
ジャンケン?数時間続いていたあれをまたやんの?
なら、家帰るわ!数時間も待てるか!
てか、一番困るのは、神楽だろうけど。
まぁ……俺を売ったんだから自業自得だよな。
そう思い席を立とうとして。
ぐいっと物凄い力で席に戻される。
「何処に行くのかな?」
「嫌…………トイレだからさ、離して?」
「今の間は、何かな?まさか帰るつもりかい?」
「そんな訳ないだろ?」
ジャンケンをしている横で新たな服の引っ張り合いが始まった。
「出来たわよ。そんな事してたら日が暮れるのだけど?」
「おぉ、チャーハンか!良い匂いだ。」
さっさと食べて帰ろ。
「むっ。白石君、抜け駆けは良くないぞ」
「こう言うのは、早い物勝ちでしょ?」
そう言いながら俺の前に座り机に肘を付き
顔を掌に乗っけてこう言った。
「どう、美味しいかしら?」
何それ?何でそんな彼女ムーブしてくんの?
しかもちょっと上目遣いで。
「あ、あぁ。美味しいよ?めっちゃ美味しい!」
「そう、それなら良かったわ。」
物凄い笑顔を見せて俺に言い放った。
「そうそう、これ、私の連絡先ね。
追加しておいて?」
…………………
「悪い……スマホ持って「あるわよね?」
「悪い……スマホ持って「あるわよね?」
「…………………わる「あるわよね?」
「はい、あります。これで良いでしょうか?」
「ええ、ありがとね?」
「僕のも追加しておいてくれよ?
じゃないと白石キュンと恋人っぽい事してるの
クラスメイトにバラしちゃうかも?」
「お前…………普通に性格悪いんだな?」
「誉め言葉として受け取っておくね?」
そうして色々あったが最後は、何故かヒロイン達と
連絡先を交換してしまった。
だって………あいつら………断ったら何してくるか
分かんねえの。絶対何人か殺ってる。
そんな目で俺を睨み付けてくるのだ。
スマホの連絡先を俺に見せ付けながら。
……………………………………………………………
ヒロインレース
ここに来て番狂わせ?!
白石紅玉が一歩リードか?
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