10話 モブ野郎共が女を泣かせてんじゃねえよ!
椿穂乃香side
あたしが、あいつの写真を撮れば家族は助かる。
あたしに選択肢なんて最初っからなかったんだ。
屑が!………あたしもその屑に今からなるんだな。
他人の人生を今からめちゃくちゃにする………
…………「プルルルルルル!」?
電話?あたしのか。
「ママ?どうしたの?」
「…………お…ねぇ……ちゃん
お母さんを助けて!」
「は?、桜(妹)なのか?
どうしたんだ?」
「お母さんが!助けて!お父さんに!」
お父さん?……まさかあいつが?
何で今更?、それよりまた!あたし達を苦しめるのか!
早く行かないとママが!
「あはっ♪何処に行くのかな?
貴方の役目は、終わってないようですが?」
「くっ…………た……助けてほしい!
家族が危ないんだ!家に父親が来てて」
あたしは、必死に今の現状をこいつに伝えた。
だがこいつは、信じられない事を言った。
「へ〜そうなんですね?
もう家についたんですね。
まぁ……貴方に止める権利は、ありませんよ?
貴方は、私の奴隷♪
ここで任務を放棄するならただの暴行では
終わらなくなりますよ?
そう…例えば、今は、母が父親の暴力やセクハラに
耐えていることでしょう。
でもぉ……標的が妹になっちゃうよ?」
は?こいつ…今何て言ったんだ?
ふざけるな!
「おい!約束が違うだろ!
手を出さないんじゃねえのかよ!」
「あら?何を怒っているのです?
今は、母にしかしてないでしょう?」
は?………………………………
……そう………だったのかよ。
あたしは、馬鹿だ。こいつが約束を守る訳が
なかった。何であたし達ばかりこんな目に。
ママが何を……したんだよ!
「あらら♪心が折れてしまいましたか?
泣いても事態は、好転しないですよ?」
もう……嫌だ。あたしは、何の為に?
家族を守りたかった。
真田魁斗side
最近……鷹宮六花の様子がおかしい。
ずっと俺を……嫌、河野君を見ている。
これは、恋?!そんな訳ないか。
ーーーーーー放課後、俺は見てしまった。
鷹宮六花と椿穂乃香が密談していた。
これは、百合展開?!
だが、どうやら違った様だ。残念だなぁ。
椿穂乃香。「貴方と純愛がしたかった」の
ヒロイン。…………ではない。
彼女は、途中で消える。
何が原因かは、不明だが交通事故に遭ったと、
それだけが書かれていた。
彼女は、家があまり裕福ではないが
それでも家族を愛していた。
バイトを沢山やって家族にご飯を沢山食べさせるんだと言っていた。
父親のせいもあるが周りが体目的で近づいてきたり
金さえ渡せば言うことを聞いてくれると思ってる
女子生徒。そのせいで人間不信気味なんだよな。
弟や妹は出てこなかったけどな。
母は、少しだけ出て来た。
密談の内容は、聞き取れなかった。
だが、あまりいい雰囲気ではなさそうだな。
はぁ……俺何してんだろ?帰るか。
河野隆太郎を追放する日→当日
真田魁斗side
あれは………確か、椿さんのお母さん?
何でここに?
と言うか、後ろに何か人が沢山いるなぁ。
あ…家に入っちゃった。
ガチャン
な…何だ? 窓ガラスの割れる音か?
何か危なそうだし。
関わらない方が良さそうだな。
「娘には!手を出さないで!
お願いだから!」
「うるせえ!てめえじゃあ!物足りないんだよ!」
「ふっ……代わりにそいつらが相手してくれるってよ?」
「お願いだから!娘には!」
………………………………はぁ。
俺ってモブなんだぜ?
こう言うのは、主人公の役目だろ?
……………椿さんの家族。
俺は、椿穂乃香は、そこまで嫌いじゃない。
むしろ好ましい。寝取られないしな?
でも…あの人数じゃな……8人は居たよな。
女、子供が大人8人に抵抗して勝てるわけないよな。
俺が放っておいても、誰かが警察に電話するだろう。あの騒ぎだ。すぐに誰かが気づく。
だが、それよりも早く彼女達は、トラウマを
植え付けられるだろう。
何故、いつも善良な人間が虐げられるのだろう?
椿さんは、ヒロインじゃない。
でも……いい奴だ。傷ついていい人じゃない。
ごめん。俺死ぬかも。ははっ。全然笑えねえ。
ドンッ!
「あん?誰か家に入って来たぞ!」
「多分俺のもう一人の娘だな。
穂乃香は、俺が貰うわ。
いつも塩対応でよぉ、体に触れさせてくれねえんだよな。結構可愛かったからよぉ!」
はぁ。恐怖で足がすくむ。
あの時は大人が4人だったし、ただのチンピラだ。
けど…これは、顔が強すぎる!?
絶対にやのつく人じゃん?!
あの時とは状況が違い過ぎる。
こんなの聞いてねえよ!
警察にも連絡はしていない。
やだなぁ。殺されるかな。
でもさ。女の子助けて死ねるなんてさ
俺にしては、やるじゃん?
その時は、俺を褒めてやりたいよ。
ふうっ。覚悟を決めろ!行くぞおおぉぉぉぉ!
ガシ
「うおっ。何だこのガキ!
おい!離せ!クソガキがっ!ドンッ、ゴンッ。」
俺に……出来るのは……ただの時間稼ぎ。
こうやってボコボコにされるだけ。
痛えなぁ。痛いけど…耐えろ!
今も殴られている。
顔を、お腹を、足を、頭を、それでもさぁ。
男には、引けない時もあるよな?
意地でも離さねえよ!屑どもが!
「糞!おい!いい加減どけ!」
「このガキ!ふざけんなよ!」
ぐっ。ガブ
「いぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!
このガキ!噛みついて来やがった!
い…いだい!離しやがれ!」
かはっ。やばい。意識が。
後、数分が限界か?……それ……でも!
俺が守らなきゃ!この家族に!
椿さんの姉弟がお母さんが!
だから……倒れる訳には。
ガン
「はぁはぁ……このガキ!」
「あ…兄貴。やりすぎじゃ。
流石に鉄で頭を殴るのは。死んだんじゃ。」
「はぁはぁ。あん?
知るかよ!俺達の後には、あいつがいる。
なら人一人揉み消せる!」
「そ……そうすっよね。」
いしき……が。これ、死んだんじゃね?
「チッ!時間を使いすぎた。
おい!娘の方は、車に運ぶぞ!
金になるからな。他はどうでもいい!」
「う!うぉぉぉぉぉ!姉ちゃんに近づくな!」
「あん?どけ!クソガキがぁ!」
「やめて!子供達には手を出さないでっ。
「糞が!鬱陶しいんだよっ!
うおっ!な…何だ?は?……え?
こ……こいつ人間かよ?
鉄で頭を殴ったんだぞ?………なのに。」
はぁはぁ……絶対にと……める。
「あ……足をぉ!離せ!」
もう……体を思うように動かせない。
感覚が…ない。
ぐっ。そ……れでも
「な……て………だ………ろ……が。「
「は?何いってんだ?」
「………な……泣いてるだろうが?!
女の子が!子供が!家族を誰よりも大切に思ってる
椿さんも!うぐっ…はぁはぁ……
な……かせてんじゃねえよ!」
「ふっ。ガキが調子に乗るなよ!
ただの突進で俺をやれるかよ!?
がぁっ。バランスを崩した?!
ち……違う。春!(穂乃香の弟)
何しやがる。急に俺の足をつかっ」
「あんたにこの痛みが……わかって!たまるかぁ!」
「があっ!」
「うっ……」
ガチャン
「警察だ!通報があって来た!」
「な…何で警察が!」
「………………あたしが……よ…んだのよ。」
つ………ばき?
何か後には……河野君や今川君が見える。
幻覚が見えてきたかな?
でも……ま……も…れて………よかったぁ。
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