第12話 ん?
(やばい)
アクアボールの練習から2週間が経過した。
それはいいのだが、この日までに習得しないといけない雷魔法の習得がまだ出来ていない。
(おかしい。いつもなら習得できたのに)
本番の悪魔さん頑張りすぎだろ、そろそろ退勤してもろて。
という軽口は置いといて。
(次のチャート進めないとな)
次のチャートというのは師匠に話を聞きに行くことである。
…
……
………
というわけで今日も師匠との楽しい修行もおわった。その帰り道師匠に話しかけた。
「師匠、アリシアとのことを少し聞きたいのですが」
ここでの声かけはこれが正解だ。
ちなみに原作の正規ルートではこれの前に師匠と共にデビルスライムを討伐するという任務がありそこにはアリシアもおり、なんやかんやあって2人の間に重い空気が流れるというイベントがあるのだが、俺が全部すっ飛ばしたせいで訳の分からない会話になっている。
しかし、これで正解だ。
「アリシアとの話をする前に私の過去の話が必要かな」
で、ここから長々と師匠の過去話しが始まる。
要するに彼女は昔ドラゴンに怪我をさせられて騎士団を退団したと言うだけの話をされる。そんなことを聞いても仕方が無いので。
「おちんちんびろーん」
「お前は何を言ってるんだ?」
ということでふざけた会話をすることによりクソ長い会話シーンをカットできました。
(さて、これでドラゴン関係のフラグは立ったはずだ。本格的にストーリーが始まるはずだ)
このあと師匠と共に俺はそのドラゴンを目にすることになる。
それで、なんやかんやあって俺とドラゴンの間に因縁が生まれてなんやかんやあって世界を旅することになるのが原作の流れ。
全部知ってるのでカットします。
俺たちがそう会話していた時だった。
「レオナルド様っ!」
街の衛兵が俺たちの近くにやってきた。
「どうした?」
「ドラゴンが!村の近くに現れたようです!調査及び討伐をお願いしたいのですが」
「そいつの外見は?」
「片目に傷を負っている赤いドラゴンのようです」
「ついに現れたか【レッドドラゴン】」
師匠はわざとらしく膝を掴んだ。
「あ、わざわざ膝を見せなくてもいいですよ、師匠」
「ん?」
「食われたの知ってますんで」
「は?」
師匠はズボンをまくって俺に膝を見せてきた。
(あれ、義足じゃない?)
「食われてなどいないぞ。火傷させられてな」
(ん?)
「ついに姿を現したか。足に大怪我をさせられたものの、最後の一撃で目に傷を入れてやった。それからは殺してやりたい一心で最後に目撃情報のあったこの村に潜んでいたのだが」
師匠は狂気的な目になってきていた。
これは原作通りである。
「必ず殺す。借りは返す。そこで、私と共に行動してくれる人間を募りたい」
(お、知ってる展開きたな。ここで俺が選ばれる。なんたって俺は主人公だからな)
「カイル。来てくれるか?」
「はいっ!!」
ん?
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