Track6 この熱い想いを、君に告げる 前編



○花火大会の会場・入口近く(夜)

はぐれた女の子と広町美桜たちがお別れするシーンから。


//バックSE 人々がごった返す喧騒 ※開始


「良かったね、親御さん見つかって。

 今度は迷子になっちゃダメだよ〜」


「うん。またね。バイバイ〜」


//SE 小さな女の子が歩き去っていく足音

//SE 親御さんと合流して二人分の去って行く足音 ※フェードアウト

//SE 美桜が踵を返す足音 ※上記のSEから数秒後


「(一安心する感じ)ふぅ~~良かったぁ〜。ほっとした〜」


//バックSE 遠くの方で花火が上がる音・断続的に ※開始 フェードイン


「あ。花火、始まっちゃったね。

 ここからじゃ……うーん。よく見えないなぁ」


「……励ましてくれてありがとう。

 そうだよね。まだ夏休みは始まったばっかりだもん。

 花火を見る機会、きっとまだあるよね……

 ――あ、てかごめん!

 せっかくテスト頑張ったご褒美で来たのに。

 その、ほっとけなくて」


「…………あはは。やっぱり気が付いてたんだね。

 流石、幼馴染み。隠し事は出来ないなぁ~」


「うん。なんか、昔の自分と重なっちゃって。

 どうしても一緒に親御さんを見つけてあげたくなっちゃった。

 今思えば、迷子センターとか会場のどこかにあったよね。

(作り笑い)……えへへ。自分で見つけてあげるのにこだわっちゃった」


「そうだね。どうしよっか。

 今から見える場所まで移動してもなぁ〜。

 きっと花火、終わっちゃってるよね……」


//SE 美桜が聞き手に一歩、近付く足音


「ねえ? 我が儘、言ってもいい?」


「……花火、諦めたくない。

 せっかく君と久々に来られたんだもん。

 夏休みはまだ始まったばかりだってことは分かってるんだけど……

 予定合わないかもしれないから。

 だから、えっと……」


//バックSE 遠くの方で花火が上がる音・断続的に ※終了

//バックSE 人々がごった返す喧騒 ※終了


次の台詞を強調するため、バックSE、早めに終了。


//SE 美桜が聞き手の袖を引っ張る際の衣擦れ音


「(囁く)……どこかで花火、して行かない?」



《続く》

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