敵か味方か。夢か現か。裏と表は背中合わせ。

 作家性というものは、不良性を文学の俎上に載せたとき、内面の確かな熱を纏って訴えかけてくるものです。
 若者の価値観は往々にして恋愛によって揺さぶられます。盲目的な自己欺瞞というモチーフが、小説の世界に残酷なほどのリアリティを有して再構成される様は、作者のシニカルな観察力を物語っていますね。
 仰々しいタイトルが、軽妙で活き活きとしたセリフで融解されていく爽快は、青春そのものです。

 個人的に過去作と比べても、最も魅力的に感じた一作でした。