告白編③

マージィは「トベを友達以上の関係」だと思っていたため、ニューヨークでトベを養うこともできるらしい。トベは「マージィのことを友達」だと思っていたという。


モリー「将来、契約書にサインして家族になったらいいんじゃないですか?」


トベ「家族ならまるで妹のような存在だ。」


他の卒業生たちに比べてトベは、アメリカ在住歴が短い。


トベ「もしアメリカにしかないシステムだったら、自分だけが知らないのかもしれない。」


しかし契約書のシステムはアメリカだけでなく、なんと日本にもあるようだ。


トベ「もし家族の契約をするなら、兄弟の契りをしなければならない。」


トベはそう語り、一同爆笑する。兄弟の契りよりも、もっと一般常識のことのようだ。


契約書にサインすると多くの人は改名するらしく、トベは「また?」と聞いてしまう。トベが言った「また?」とはどういう意味なのか、周りは理解していない。どうやらトベ以外誰も、マージィがすでに改名していたことを知らないようだ。マージィとの約束を破ってしまったことを、再びトベが謝罪する。


モリー「もうこうなったら、今ここで本当の名前を呼んであげましょう!」


モリーがトベに言うが、トベは名前を聞いた数秒後に忘れていたようだ。トベは過去に何かあったのだと思い、すぐに名前を忘れようと努力したという。あの出来事は会ってすぐのことで、1年も経過した今となっては、本当の名前を思い出すことは不可能だ。


今回の改名は名字らしい。マージィはトベの名字を、大層お気に召した様子。しかし改名すると、芸名のようになってしまうことを懸念するトベ。「マージィ戸部」は、芸人にいそうな響き。


トベ「論文などの経歴では同一人物だと見なされにくくなるのを避けるため、結婚しても論文では苗字を変えない場合もある。」


ここで周りはさすがに察したかと思ったが、まだトベは気づいていない。どうやらマージィは、誰かとの結婚まで視野に入れているらしい。なんとトベが知っている人らしく、しかも「テニス部のメンバーで、BBQの参加者の中にいる」ようだ。可能性がありそうな人から1人ずつ順番に名前を呼んでいくが、全員違う。


トベ「韓国人テニス部の誰かが近くに隠れていて、正解したら出てくるドッキリとか?」


そんなオチでもなさそうだ。前の名前と今の名前のマージィが結婚するとかいう理解不能なオチでもない。


トベ「ミステリーでは主人公が黒幕の場合もあるから念のため。」


この発言でとうとう気づいたかと思ったが、まだ気づいていないようだ。実は誰かが妊娠していて、その子供と婚約するとかでもない。トベの推理は、まるでミステリー小説である。


確信犯側であるサクシマとモリーを中心とするテニス部員たちは、これまでの勘違いポイントを少しぼかしながら順におさらいしていく。トベはようやく少しずつ核心に迫っていくが、やはりさっきのショックが大きすぎたのかもしれない。まだ混乱していて、ぶっ飛んだ推理をしている。


マージィとサクシマは「マンハッタンラブストーリー」も観たと話す。どこからどう見ても、日本の喫茶店が舞台のドラマだ。マージィは全話視聴したが、その話を全くせず、サクシマも1話だけ確認して三角関係の話だと思ってしまったらしい。全くニューヨークには関係ない物語だったが、なぜか奇妙なことにニューヨークに関係があるとミスリードしてしまったという。そしてドラマのような勘違い展開が、実際に起きてしまっているため、タイトルではなく内容が重要だったようだ。


ネタバラシのためにも、ここでモリーは過去にマージィが好きだったことを告白する。モリーの気持ちに、マージィは全く気付かなかったようだ。実はトベは恋愛マスターとして、モリーを助けていたと語る。モリーは「師匠」という意味で考えていたらしい。ここでトベは、初めて本当の意味に気づく。


トベ「マスターしていなかったけど、マスターはしていた。」


トベがそう語ると、思わず一同が「それはどっちの意味?」となる。


トベ「マスターはしていたけど、マスターしていなかった。」


慌ててトベは説明する。結局あまり説明になっていない。


モリーは「ダブルスデート」でトベがカーラに内緒話で何か話したときに、トベが裏切ったと感じたらしい。テニスの後のレストランで、カーラがわざとトベとマージィを隣に座らせたためだ。おそらくカーラが、最初に三角関係を知った人物だろう。カーラが知っていた情報を考えれば、爆笑した理由も明白だった。そのときトベが口止めをしていなければ、このような大きな騒ぎにはならなかったはず。つまりそれぞれが異なるダブルデートを想定していたようだ。まさに「ダブルダブルデート」ならぬ、「ダブルスデート」と呼ぶにふさわしい出来事だ。


「ダブルスデート」でカーラが暴露しなかった結果、日本語クラスのクラスメートたち、日本語の先生たち、韓国人テニス部のメンバーも巻き込み、かなり話は大きくなっていったようだ。結果的に秋の映画の直前にモリーも全てを悟り、確信犯側に加わってしまった。マージィはこれまで全く何も知らず、みんなに騙されていたと感じる。トベも同じく騙されていたと思ったが、無自覚でマージィを騙していた側でもあると言われてしまう。

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