第4話 大野盗「エッチ後屋」あらわる
「お゛お゛お゛ぉぉぉん」
おヒメのあばら
顔もずいぶんきたない。鼻水がでろんでろんである。
おヒメの身の上話が、
本来ならばここで読者にもその話を共有するのが道理であろう。
しかしおヒメの語ったところはいささか重く、冒頭のサメの話にもからんでこないため、『忍者vsサメ』を
つまり、いろいろあっておヒメは
さて、なぜ
これを知るには、冒頭のサメに乗った男――野盗どもが村へやってきた直後のできごとに話を転じなければならぬ。
「ヒャッハァァ! ジャマするぜぇ!」
静かな夏の夜に似あわしからぬ、愉悦に満ちた
家は、
村人である若い男は、この野蛮な男どもにつかまり、おどされ、
「な、な、なんじゃあ!!」
もう
主人公でもヒロインでもなく、
そういう意味で野盗どもの
「おいおいお
当時にそぐわぬ倫理観をもって、野盗の首領――エッチな話題には
彼はもともと都の商家の三代目だったのだが、
「あ、あ、あなたがたはなんなのです! こんな夜に非常識な。今夜は私がしんぼうたまらない日だったのですよ!」
おババさまが胸もとの服をかき寄せながら、どなる。
「ひゅうう、お熱いねぇ!」
「うちにも秘訣を教えてくれよ」
「おいずりぃぞ! うちのカカァなんかもう5年は抱かしてくれてないぜ」
など、野盗の手下どもが
そこへ首領のエッチ
「やかましいぞおめェら! 抱かしてくれるくれないじゃねぇ、おめェらがちゃんと日ごろから家のこともやってンのか、てめェの機嫌をてめェでとって、いつもまめに愛や感謝を伝えてンのか、そういう日々の積み重ねが夜にもあらわれるってだけの話だバカやろめ。これからだいじな交渉なんだから黙ってろッ!」
「なるほど性交渉の話ってワケですね」
とニヤニヤしながらなおも告げたひとりの手下は、引き時を知らぬと見える。
それを断ずるように、エッチ
「ギィヤァァァ!!」
斬りつけられた手下はむごたらしい悲鳴をあげ、胸からブシャアアアとすさまじい量の血を
どうもエッチな話題について超時代的な倫理観を有するこの男も、「命を大切にしよう」などと現代でことさらに強調される価値観についてはカケラも有しておらぬようである。
斬りながら邪悪に笑うその姿を見、彼の
そのときむにゅりとおババさまの胸に手があたってしまい、「やん、じいさま」とおババさまが恥じらい、「あっ、ごめん!」と
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