そんな凛久くんの行動に私が心から安心した直後、凛久くんが呟くように私に言う。


「…おまえな…そういうことは、もっと前に言っとけよ」

「…え?」


そう言うと、クルリと私の方に向き直って言葉を続けた。


「いや、でも…ありがとう。お前のおかげで手切らずに済んだ」

「それは違うよ。…私がいたからこういう目に遭ったんだし」


私がそういうと、凛久くんが「それもそうか」と笑う。

やっと見れたその笑顔に安心して、「指輪外して貰いに行こう」と病院へと一緒に行こうとしたその直後、凛久くんが言った。


「ちょっと待って」

「…え?」

「ごめん。それもう平気」

「??」


凛久くんはそう言うと、直後、あれだけ「外れない」と大混乱していたはずの指輪を、いとも簡単にスッと外した。


…え?



「っ、ええぇぇぇえ!?」



な、なんで?だってあれだけ、ついさっきまで「外れない」って言ってたのに!

私が思わず目を丸くしていると、そんな私に凛久くんが言う。


「うん、外れなかったのは本当だけど…なんか、今普通に簡単に外れた。不思議な指輪だね、これ」

「よかったぁ…。…ごめん。貰いものだったから、ちょっと、凛久くんに試してみようと…」

「貰いもの?なんだ、これお前からのプレゼントじゃないのか」

「…?」


凛久くんはそう言うと、少しイタズラ顔で私を見る。

あの、それって…。


「…どういう意味?」


私がそう問いかけると、凛久くんが言った。


「……俺やっぱ、結婚するのやめる」

「えっ」



******



「…どうやら上手くいったみたいね」


一方その頃、後をつけていた雑貨店の店員は、魔法を使って2人の様子を見ていた。

指輪の力が強力だから心配で見に来たけど、大丈夫だったみたい。


「お幸せに」


私は独りそう呟くと、ホウキにまたがってその場を後にした───…。










※明日、最終話アップします!

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