砲声の余韻が響く戦場─。
中東戦線の絶望から始まるこの短編は、読む者を苛烈と孤絶のただ中へと引きずり込みます。
壊滅した部隊、残された一人の兵士。
その極限状況で下す決断に、読者は息を呑むことでしょう。
本作は約1000文字のショートショートながら、凝縮された描写と緊張のリズムが圧倒的。
登場する〈ジン〉は作者の代表作『Ashpunk Blues−灰燼世界のマシンシティ−』ともリンクする存在で、本編既読の方には“もしも”の位相として、未読の方には単独でも強烈なキャラクターとして刺さります。
『Ashpunk Blues』も抜群に面白い、だからこそこの短編の切れ味が際立つ。
未読の方はまずはこのショートショートからどうぞ。
読み終えた余韻を抱えたまま、『Ashpunk Blues』へ。
〈ジン〉という人物(晴久推し)の別位相を味わってください。