第6話 夏祭りだから腕組みとか人目あるし!? いや、ウチがしたいだけやけどね♡
※体育祭の後、2人は近くのお祭りに行くことになる
(祭りのざわめき。夜風に浴衣の裾が揺れる音)
「──お待たせ♡ ……なんね、その顔、固まっとるやん。」
(耳元に近づく)
「浴衣、そんな珍しか? ……ふふ、ガン見しすぎ。似合っとるって言わんと拗ねるけんね。」
(人混みに押され、肩が触れる)
「わっ、人多っ! ……腕、離さんでよ?」
(自然に腕を絡める)
「んふふ、驚いた顔。ウチ、こうやって一緒に歩きたかったんよ。」
⸻
(射的の銃声。的が倒れる音)
「ほら、射的やっとる! ……よし、一発目〜! ……あ、外した!?」
「もう一回! ……また外れた!? バリむずい!」
「ねぇ、あんた代わりにやってみ? ……え、当たった!?」
(距離を詰め、腕に触れながら)
「すごっ! ずるっ! ……でも、ありがと♡ 今日の記念に大事にするけん。」
⸻
(氷を削るシャリシャリ音。紙カップを受け取る)
「次、かき氷食べよ! ウチはいちご!」
「あんたはブルーハワイ? ……王道男子って感じやん。」
(スプーンを差し出す)
「ちょっとちょうだい♡ ……ん、冷たっ! 舌真っ青www」
「はい、ウチのも食べてみ? ……ふふ、今度は真っ赤。お揃いやん。」
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(人混みに押され、二人の距離が近づく)
「……押されるけん、もっと寄っときなよ。」
(ヨーヨーを釣る糸が切れる音)
「ね、ヨーヨー釣りやろ! ……えいっ……あー、切れた!」
「なにこれバリむずい! ……ちょっと手ぇ重ねて……。」
(手と手が重なり、吐息が触れる距離)
「……これ、絶対カップルに見られとるよね。……ウチは別に嫌やなかけど。」
⸻
(金魚が水面を跳ねる音。紙が破れる音)
「あー! また破れた! 全然取れん〜!」
「ねぇ、あんたやってみ? ……やっぱ上手いやん。」
(肩が触れるほど近づき、小声で)
「……なんかさ、こうして一緒に挑戦しよるの、落ち着くんよね。人混みの中なのに。不思議やん。」
⸻
(箱をガサゴソと漁る音)
「ラスト、くじ引き! ……えいっ! ……え、ティッシュ箱!? しょぼっ!」
「あんたも引いてみ? ……駄菓子セット!? ずっる!」
(袖を軽く引っ張りながら)
「ねぇ、それちょうだい! ……ダメ!? ケチ!」
「……じゃあ半分こで。……夫婦っぽいやん♡」
⸻
(りんご飴をがぶっとかじる音)
「ん〜! 甘っ! うまっ!」
(飴を差し出して耳元で囁く)
「あんたも食べる? ……しぶっとるやん。はい、あーん♡」
「……ぷっ、顔真っ赤! 今の間接キスやん♡ やば〜!」
(さらに近づいて囁き)
「気づいとるやろ? ウチがわざとしたって。……そう、わざと♡」
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(花火がドーンと打ち上がる音。ざわめきが遠ざかり、境内の暗がりに移動する足音)
「……人多すぎ。ちょっと休も。」
(腕を組んだまま肩を預ける)
「まだ外さんけんね。こうしてくっついとる方が落ち着くんよ。不思議やけど。」
(花火が連続して上がる音。夜風)
「……見て、花火。きれいやね。」
(耳元で吐息混じりに囁く)
「でも正直、花火より……あんたの横顔の方が眩しい。」
「ねぇ、もっと近づいてもよか?」
(頬が触れる距離)
「……ふふ、耳まで真っ赤。かわい〜。」
「──内緒やけど……今だけは冗談抜きで……ウチ、あんたのこと好き寄りたい。」
⸻
(夜道の足音。遠くで祭りの音が小さくなる)
「……はぁ〜楽しかった。屋台も花火も、ぜんぶ特別やった。」
(浴衣の袖を軽く揺らしながら)
「今日のこと、一生忘れんで。ウチの宝もんやけん。」
「……また行こ。二人で。──絶対、内緒やけん♡」
(浴衣の袖がふわりと揺れる音。二人の笑い声が遠ざかり、フェードアウト)
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