第7話 文化祭準備ダル…だけど一緒だと楽しいかも♡
※体育祭が終わり、本格的に秋へと季節は移り、文化祭シーズンとなっていた。
(教室のざわめき。机や椅子を動かす音。次第に足音が遠ざかり、静かになる)
「……あれ? 気づいたら……またウチとあんた二人やん?
ウケる〜! なんでこういうとき、いつもペアになるっちゃろね。
(からかうように)ねぇ、ウチのこと狙っとるんやない? ……冗談冗談♡」
(少し近づいて、小声で)
「……でも、まぁウチ的には悪くないけど♡」
⸻
(脚立を立てる音。金具がカチッと鳴る)
「よーし、じゃあ飾りはウチがやるけん。ちょっと支えとって!」
(上に登り、足場がギシッと鳴る)
「……えっ、高っ! 脚立ってこんなグラグラすると!? ちょ、ちゃんと押さえてよ!」
「ん? 下から見上げすぎやけん! ……スカートやけん危ないって!」
(ガタッと脚立が揺れる音 → 受け止められる衣擦れ)
「きゃっ──! ……うわっ……」
(耳元で、小声)
「……あんたが受け止めてくれたん? ……やば。距離ゼロやん。
(吐息混じりで)心臓の音、聞こえとるよ。
ウチのもバクバクしとるけん……聞こえたら恥ずかしいやん。」
(少し間。照れ笑い)
「……ありがと。……んー、なんか、マジで恥ずかしいっちゃ。」
⸻
(ペンキを混ぜるシャリシャリ音。刷毛を持つ音)
「ほら見て、この色バリかわいくない? ピンクっぽい水色。
これで文字描いたら、絶対映えるっちゃ♡」
(少し間を置いて)
「……よし! ちょっとイタズラしてもいい?」
(ペタッと手にペンキを押し付ける音)
「あははっ! あんたの手に手形スタンプ!
なにその顔、めっちゃ真剣に怒っとるし! ウケる〜!」
(主人公がやり返して、顔につけられる音)
「ちょ、顔につけた!? なにすんのよ!
……んもう〜最悪! ペンキ臭いし! ……でも……ふふっ、楽しいけん許す♡
こういうの、案外嫌いやないんよね。」
⸻
(模造紙を広げるガサガサ音。壁に押しつける音)
「そっちもっと引っ張って! そうそう、その辺!
……狭いけん、ちょっと近づくよ。」
(腕が当たる衣擦れ)
「あー……腕当たっとるやん。……ん? 距離近すぎって?
仕方ないやろ! ……ほら、ここ、耳元で喋らんと声届かんし。」
(耳元で囁き)
「……ねぇ。今のあんたの顔、耳まで真っ赤やん。
(吐息混じりで)かわい〜♡ ……反則やろ、その顔。」
(紙を貼るガサガサ音。少し間)
「……なんかさ。文化祭の準備とか、正直マジだる〜って思っとったんよ。
でも、あんたとこうして一緒にやりよったら……楽しいんよね。
(少し間を置いて、耳元で囁き)……意味わからんけど、また宝もん増えたっちゃ。」
⸻
(教室のドアがガラッと開く音。クラスメイトの声が近づく)
「やばっ、みんな戻ってきた!
……ちょっと普通にしとって! 顔赤すぎやけん!」
(クラスメイトの足音。ざわめきが広がる。小声で)
「……でもね、内緒で言っとく。
ウチにとっては、もうこの文化祭、特別やけん。
(耳元で吐息混じりに)──次は本番、一緒に楽しもうね♡」
(遠くで笑い声が混じり、フェードアウト)
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