第13話 アリスと教会の聖者
アリスと神威はステラに案内され、この国の中心の最も大きな教会へとやってきた。
「さぁ、お入りください」
二人は遠慮気味に中に入っていった。
教会は外からでも、真っ白な神聖な雰囲気がした。だが、中はさらに神聖だった。高い天井に、大きなシャンデリア。真っ白な壁に、美しい天使をイメージした色付きガラス。そのすべてが、神聖さを物語っていた。
「では、二階のほうへ行きましょう。紹介したい方々がいますので」
そういわれて、二階に案内された。階段も真っ白で、大きな螺旋階段だった。
案内されたのは、一つの大きな個室だった。会議室のような雰囲気であった。
「こちらの方々が、この国自慢の
そこにいたのは、円卓に座る5名と立っている4名の、計9名だった。
「まぁ、アリス君と神威君。そこの空いてる席に座ってくださいな」
空いていた席は、ステラが座るであろう大きな椅子の正面だった。
多分、客などはここに座るのだろう。
私達が座るのを見ると、ステラも席に着いた。
「じゃあ、まずは自己紹介でもしましょうか。じゃあ、こちらから。私は【絶対なる星の予言】のステラ・プラエディクティオ。この国の教皇でガブリエルの契約者です」
ガブリエルとは、神の言葉を人々に伝達する天使といわれている。
その天使との契約だ。得られる力は壮大だろう。
天使との契約。それは、言葉の通り、天使と契約することだ。だが、天使と契約するには、光属性がまず必要になってくる。そのうえ、天使との相性もある。
そもそも、天使とは神聖な存在である。故に、神聖でないものは契約できない。だから、契約しているものが教団の信者であることが多い。
だが、人知を超え、神に最も近き天使と契約するのだ。それにふさわしい代償が必要となる。何を支払えば、英雄級までなれるのだろうか?アリスにはそれは分からない。
だが、天使と契約した伝説が、今、目の前にいるのだ。
ステラは自分の紹介が終わると、右隣に座る男を見つめた。
男はため息を一つして、続けた。
「俺は【聖と魔】のルーク・アロガントだ。聖騎士特別小隊隊長でルシファーの契約者だ」
ルークは言い終わると後ろを向いて、「次はお前だ」と視線を送った。
「これ、俺も言うんっすか?!」
後ろの男は少し驚いたように言うと、ルークがコクっと頷くと諦めたように肩を落とした。
「俺は【
【灰壊】とはなんとも天使の契約者には似合いそうもなく、アリス達にそのようなマイナスのイメージを与えた。
そして、【聖と魔】も矛盾。そして、もっともふさわしくない「魔」の文字だ。これらがトップに立つ、聖騎士特別小隊とは何なのだろうか?
「次は私でしょうかね。私は【神の炎】のフラマ。聖騎士長を務めています。あぁ、あと、ウリエルの契約者です」
フラマは肩に届かない程度に伸ばされた奇麗な金髪をなびかせ、サファイア色に輝く両目でアリス達を見つめ、ニコっと天使のような笑みでほほ笑んだ。
それとは逆に後ろの人は冷たい雰囲気を感じた。
銀色に輝く髪と透き通るような碧眼が、氷を連想させてしまう。
「自分は聖騎士副長の【氷結の正義】のグラキエス。サドキエルキエス者です」
アリスは彼女が【氷結の正義】という二つ名が似合う気がしてならなかった。
そんな私達をよそに、自己紹介は続いて、今度はルークの隣に座る人だった。
「僕の名は【平等なる裁判】のエクセルキトゥス。この国の最高裁判長を務めるものなのだよ。そして、僕こそが、あの大天使ミカエルの契約者なのだよ」
少し、小さく。年はアリスよりも一つ下ってぐらいだろう。目と髪はきれいな茶色だった。多分、声的に女性だろう。
「俺は最高裁判長秘書【法の書庫】のスキエンティア。セラフィエルの契約者さ」
今度はエクセルキトゥスの後ろに立つ男だった。スキエンティアは優しそうな笑みを浮かべ、優しく甘い声を発した。
髪は緑交じりの灰色だ。背はそこそこ高く、180くらいだろう。
次に声を発したのは、エクセルキトゥスの正面に座る女性だった。
「私は【神の癒し】のサナティオ。ここのシスター長だよぉ。そして、ラファエルの契約者。よろしくねぇ」
なんだか、ふわふわした人だった。謎の包容力のある人物だった。髪と目は奇麗な青色をしていた。
「わたちは【
言っている最中に、会議中に眠りについた。そのうえ、立ったままだ。本当にいい夢を見てそうなほど幸せそうな顔をしていた。
そんなソムニウムの耳にサナティオは口を近づける。
「おーい、起きないとミレイママが怒こりに来るよぉ」
それを聞いた瞬間、「にゃふっ!!」っと起きた。そのミレイママにどれほどのトラウマがあるのやらか。
「ごめんにゃさい。えっと...そうだ!副シスター長でラミエルの契約者れふ」
活舌が悪いのか、それともわざっとそういうように喋っているのかは分からないが、ところどころ言葉がおかしいが、幼い童顔、小さい体、栗色の髪、気持ちよさそうに眠る姿が相まってすごくかわいい印象を受ける。まるで守りたくなるような使命感も共にわいてくる。シスター恐るべし。
順番的に次はアリスの隣に座る青年だろう。それで、教会側は全員終わる。
青年は整った顔立ちで、白い肌に白い髪、そして、黄金の目。なんとも、儚く優しい印象を受けた。
「私は【天の契約】のルクス。特に所属はなく、ほとんどがステラさんと共に行動しています。あと、契約している天使はメタトロンです」
喋り方は真面目そうな印象を受け、声には爽やかさと慈愛を感じた。
ここからは、アリスの自己紹介の番だろう。そう思い、緊張ながら口を開く。
「私は【世界種】のアリス。等級は金級です」
アリスは肩書も、契約もないので特にいうことがなく等級を言うこととした。神威もそれを聞き、同じように言う。
「拙者は【炎種】の神威。等級は同じく金級でござる」
一通り、全員の紹介が終えた所で、ステラは話を進めるのだった。
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