4日目

 いつもと同じ場所に座る。

 パソコンを付けながら先程の光景を思い出す。


 いつも何をしているのか、と問われた。

 答えるのは権利であって、義務ではない。

 だが、そもそもその答えが出てこなかったのだ。

 今やっていることに価値なんてない。

 それでも、それを否定されるのが怖かった。

 ただ一つの世界ここに生きた証を奪われたくなかった。

 黙って見つめ返すことしかできなかった。


 電池の残り少ないパソコンはまだ起動しない。


 選択を間違えた。

 始めから話を聞くべきではなかった。

 声をかけられた段階で断るべきだったのだ。

 やっとのことで起動したパソコンに思いをぶつける。

 揺れ動き、とどまることを知らない感情。

 その先にある深い後悔。

 全てを文字に乗せる。

 その思いは主人公の成長の糧となる。

 押しつぶされることなく乗り越えた時、未来は開ける。

 相変わらず暗い部屋に終わらないタイプ音が散らばっていく。

 拡散していた思いが、かたちになっていく。

 それに合わせ、頭の中が整理されることでクリアになっていく。

 画面の奥の主人公は躍動していた。


 ふと、時計を見るとかなりの時間が経っていた。

 それでも書き続けようとして、画面に目を戻す。

 その瞬間、画面が暗転した。

 電池が切れたようだ。

 保存していなかったことが頭をよぎるが、気にしないことにした。

 すでに暗くなったパソコンを閉じる。

 また、次の活動いちにちがはじまった。

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