第4話向アイリス

1人孤独に絶えここまで辿りついた。療養院の入りのパティオには沢山のアイリスが咲き乱れていて、自分を出迎えてくれる感じがした。部屋はコンクリートの冷たい壁に窓には柵がついていた。彼はそれから意識で窓の柵を超えて咲き乱れるアイリスをずっと描いた「今アイリスばかり描いている。君には感謝しかない。申し訳ない。アイリスのうちで出来がまだ良いのを送った。どうかミスター・モラレスにも差し上げたいので宜しく頼む。元気でVFGより愛を込めて※他のスケッチも同封する。愛する君の意見が聞きたい。では…」追伸「ユーとの事を心より喜んでいる。いつかユーのデッサンを描けたら幸いだ」…それから退院するまで彼は紫と青いアイリスを描か続けた。

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