90秒で恋がしたい ～読むだけで胸キュンする超短編恋愛小説集～

第16話 リモート会議、カメラONの悲劇

「はい、カメラONでお願いしまーす」

地獄の宣告。

寝起きスッピン、パジャマ姿、髪ボサボサ。

慌ててカメラに映らない部分だけ着替え――上はスーツ、下はスヌーピーパジャマ。

「おはようございます」

画面に映る同期たち。その中に、密かに憧れてた他部署の神谷くん。

なぜ今日に限って！

会議中、急にインターホンが。

「あ、すみません、宅配便が…」

立ち上がった瞬間、悲劇は起きた。

スヌーピーパジャマ、全画面公開。

チャット欄が一瞬で埋まる。

『スヌーピーｗｗｗ』

『ギャップ萌え』

『なんか親近感』

顔から火が出る。もう会社辞めたい。

会議後、神谷くんからDM。

『実は僕も』

添付画像：ピカチュウパジャマ姿の自撮り。

『お揃いで会議出ようと思ったんですけど、勇気なくて』

え、何この人、可愛すぎか？

『今度、パジャマ推し会議しません？』

『それ、ただのパジャマパーティでは？』

『じゃあ、デートということで』

スムーズすぎる展開に動揺。

その後、二人でキャラものパジャマを買いに行くデートが定番に。

会社のSlackに『#パジャマ倶楽部』チャンネルができて、なぜか50人参加。

半年後、結婚式の引き出物はオリジナルパジャマにした。

式のスピーチで言われた一言。

**「カメラONは、恋もONにするんですね」**

会場爆笑。でも、否定できない。

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