第15話 AIマッチング、相性0%の恋



「相性0%!? バグでしょこれ」


話題のAIマッチングアプリ『DestinyAI』の診断結果を見て絶句した。

相手のプロフィール:

『佐藤翔/28歳/趣味:筋トレ、プロテイン、筋トレ』


私:インドア派、運動大嫌い、趣味は深夜アニメ。

……確かに0%だわ。


でもAIの指示は絶対。「科学的に導き出された挑戦」らしい。

待ち合わせのジムカフェ(そんなのあるんだ)で、ムキムキの人影を発見。


「初めまして、AIに弄ばれた者です」

開口一番、自虐かよ。


「私も相性0%ショックで昨日寝れませんでした」

「俺なんて、プロテイン飲みながら泣いてました」


意外と面白い人かも。


「ところで、なんでこのアプリ始めたんですか?」

「筋肉しか取り柄がなくて、会話が続かないから」

「私は逆に、妄想ばかりで現実の恋愛が苦手で」


2時間後――

アニメの話で爆笑し、筋トレポーズでさらに爆笑。

気づけば終電ギリギリ。


「相性0%なのに、なんでこんなに楽しいの?」

「AIの逆張り作戦?」


帰り道、アプリから通知。

『診断ミスのお詫び:本当の相性は100%でした』


「「はぁ!?」」


翌日、TwitterにスクショをUP。

『#AI婚活 #相性詐欺 #でも付き合います』


バズった。3万RT。

コメント欄「AIの計画通り説」「逆に賢い」


3ヶ月後、まだ付き合ってる。

彼は軽いダンベルを買ってきて、私は『ダンベル何キロ持てる?』を布教した。


**「相性は数字じゃなくて、一緒にいて腹筋崩壊できるかで決まる」**


これが私たちの合言葉。


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