ほねなぴ様の短編集を読み進めるたび、なんて愛おしく、ふしぎで、やさしい世界なんだろうと、心から感じました。日常の隙間にふっと現れる動物たちや、ちょっと不思議なできごとたち。どの物語にも、ほんのりと温かさが宿っています。
冷蔵庫に刺さるたぬきや、鉢植えから生まれるタヌキ、月の光でできたわたあめ屋さん…。子どもの頃に抱いた自由な想像力が、そのまま大切に物語へと結晶したようで、大人になった今でも心がくすぐられる瞬間が何度もありました。
特に「寝ている時だけ最強のコアラと無自覚の暗殺ハリネズミ」や「カピバラ、路頭に迷う」は、ちょっぴり切なさとぬくもりが静かに寄り添っていて、読み終えたあとも優しい余韻が残ります。どの話にも、“現実のしがらみ”をそっと解きほぐしてくれるような、柔らかな魔法がかかっているようです。
もし仕事や日々の暮らしに疲れてしまったときは、ぜひ枕元でこの短編集を開いてみてください。静かに心をなでるような優しさに、きっと肩の力がふっと抜けて、明日が少しだけやわらかく見えるはずです。宝物のような一冊に、そっと感謝を込めて。