真夏のホームランガール

青空一星

真夏のホームランガール

 きょうはあつい日だ。たいようが元気で、ぼうしがないとねっちゅうしょうになりそうな日だ。


 きょうはまさくんもよしくんもあそべない。まさくんはじゅくがあってよしくんはかぞくであそびに行くんだって。

 ちょっとつまんないけど虫とりに行くことにした。きょうはでっかいカマキリとってやるんだ。


 ばしょはいっつものかせんじき。あそこは川がながれててあぶないけど、たくさん草がはえてるから虫とりにいいんだ。


 どてのとこを歩いてたらマキおねえさんに会った。

 おねえさんは中学生でえらいからなつ休みなのに学校にいかないと行けないんだって。ほんとはいっしょにあそびたかったけどじゃましちゃだめだからがまんする。


 おねえさんがこれから虫とり? ってきいてきたからまさくんもよしくんもあそべないからひとりなんだって言ったらいっしょにあそんでくれるって言ってくれた!


 おねえさんとあそべるのうれしい! おねえさんはたくさんうんどうしてるからかけっこもおにごっこもできるんだ。でもいちばんすごいのはホームランできること!

 思いっきりぱーんってうってかっこいいんだ。まえの大会でもだいかつやくだったんだって!


 おねえさんに何してあそぶ? ってきいたら虫とりじゃないの? ってきかれたからおねえさんとあそべるから何でもいいのって言った。おねえさんはそっかってわらって、せっかく虫とりのかごとあみがあるから虫とりにしようって言ってくれてかせんじきで虫とりすることになった。


 かせんじきはぼくらのほかはいなくって、おねえさんとふたりであそべた。バッタとかチョウとかがいっぱいいてたくさんとれたけどカマキリはいなかった。おねえさんもいっしょにさがしてくれたけどやっぱり見つからなかった。でもおねえさんといっしょだったからたのしかった。


 さがしてたらあたまがぐわんぐわんってなっておねえさんといっしょにはしの下で休んだ。おねえさんがしんぱいしてくれてポカリとかかってきてくれた。ちょっと気分がわるくてしばらくはぐわんぐわんしてたけど、ゆっくりおねえさんと話してたらたのしくていつのまにかなおってた。


 でもまだちょっとあたまがおもくっておねえさんにバットれんしゅう見せてって言った。せっかくバットもってるのにいっしょに虫とりしてたから見たいなって思ったんだ。おねえさんはいいよって言ってくれてはしのかべにボールを当ててバットをふってくれた。


 バットがぶんぶん言うところとかボールがばんばん言うのがおもしろくてたのしかった。しばらくふってたらおねえさんはバットをほっぽっちゃってぼくといっしょにねころんだ。


 つかれたの? ってきいたらやっぱりそうなんだって。ねっちゅうしょうはあぶないからポカリのんでねって言ったらありがとうって言ってのんでくれた。ちょっとぬるくなってたんだって。


 おねえさんが何も言わなくなっちゃってちょっとさびしかったけど、おねえさんがとなりにいたからさびしくなかった。ちょっとどきどきした。おねえさんはまだつかれてるかおしてた、やっぱりねっちゅうしょうなのかも。ぼくのポカリものんでいいよって言ったらありがとうって言ってのんでくれた。そういえばぼくものんだんだって思ってまたどきどきした。


 それからずーっとねっころがっててかごの中の虫を見るのもあきてきてたらおねえさんがかえろっかって言った。もうゆうがただったんだって。

 おねえさんがゆびのほうを見たらばんそうこうと夕日がいっしょに見えた。やっぱりおねえさんはかっこいいなって思った。


 おねえさんがちょっとはなれててって言うから後ろに下がったら、おねえさんはバットとボールをもっておもいっきり夕日に向かってホームランをうった。おねえさんがホームランをうったときにバットが言う音とか風とかボールがとんでく音とかが全部いっしょにきこえておねえさんは本当にかっこいいやって思った。


 おねえさんにとってきていい? ってきいたらとってもいいけどきょうはかえろって言われてうきうきわくわくしながらきょうはかえることにした。おねえさんのかおだけ見れなかったのがざんねんだった、きっとかっこいいかおしてたんだ。



 つぎの日は雨がふっててボールをさがしに行けなかった。ボールが川にながれてないといいなって思いながらいえでゲームとかしゅくだいとかしてた。いまのうちにやっておかないとまさくんとよしくんとあそべなくなっちゃうから。おかあさんにもぼくはえらいねって言ってもらえた。



 つぎの日にかせんじきに行った。こんどはすいとうもちゃんともって元気いっぱいで行った。まさくんとよしくんといっしょにこようかなって思ったけど、なんだかひとりで見つけたいなって思ってひとりできた。マキおねえさんはくるかなって思いながらボールをさがした。

 虫とりのあみとかごももってたけどボールがどっか行っちゃったらいやだからほっぽってさがした。


 たくさんさがしたけどぜんぜんボールは見つかんなくてけっこうつかれた。はしの下でねころがってたらおねえさんのこと思い出してきた。どてのほうを見たけどおねえさんはいなくてちょっとさびしくなった。


 すいとうをのんでからまたさがした。


 たくさんたくさんさがして虫とかはいっぱい見つかったけどボールは見つからなかった。カマキリもいたけどボールのほうがだいじ、ずっとさがしてた。


 草をたおして、よけてさがしてたらやっと見つかった!!

 水たまりの中に入ってて草がへばりついてた。水たまりに手をつっこんだらちょっとあつくってたいようはやっぱりこわいなって思った。あせでいっぱいだったからちょっと川の中に入ってすずしくなった。きずいたらもう夕日になってておねえさんのまねをしてボールを夕日に見せてあげた。いまのぼくはきっとかっこいいぞ!


 かせんじきから上がってかえろうと思ってたらどてのほうでよんでるまさくんとよしくんを見つけた。


 きょうのしゅくだいがおわったからちょっとだけでもあそぼってなってこうえんに行くとちゅうで見つけたんだって。ぼくもうれしくなっていっしょにあそぶことになった。


 もしかしたらおねえさんがいるかもって思ったからこうえんにいくまえにふりかえってみた。おねえさんはいなくって夕日がさっきより見えなくなってた。夕日がおねえさんといっしょに見た夕日とはなんかちがうくて、さびしくていやになってまさくんとよしくんのほうにはしった。だるまさんがころんだでもやろうかな。

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