2400字の間、ただ穴に落ちているだけ。そのシンプルな状況で様々なことを考える彼。きっと彼はそれなりにいい人生を送り、優しい人間だったのだろう、と穴に落ちているだけの彼のことが分かってしまう不思議な作品です。
主人公と一緒にゆっくり落ちて、浮遊感を味わうことができる。疲れているブラック社員ならば、穴に落ちたらホッとしてしまうのではないか。告白の事を思い出すなんて、あなたはちょっと余裕がありますね、などと思ってしまった。不思議の国のアリスかもしれないから、面白いところに落ちるかもしれない。異世界転生の導入としても最高だ。設定がとても面白い。わりと落ち着いている主人公の、マイルドな描写が心地よかった。こういうバンジージャンプならやってみたい。