うんこになったおひめさま

@mogurakaku

うんこになったおひめさま

むかし、とあるちいさな国に それはそれはかわいらしいおひめさまがいました……が、ある日おひめさまはうんこになってしまいました。


なぜそんなことになってしまったのか、ことのけいいは いかの通りです。



まずたんてきに けつろんから言いますと、げんいんはおひめさまのふりんでした。


おひめさまはとなりのおおきな国のおうじさまと こんやく関係にあったのですが、おひめさまは、じぶんのじゅうしゃのひとりで、とてもかおのいい男と しんしつをともにする関係となりました。


その現場へおうじさまが何のまえぶれもなくのりこんできて、ふりんがはっかくしたのです。


おうじさまはまえまえからおひめさまのふりんを疑っていて、ついにそのげんばを押さえることに せいこうしたとのでした。



おうじさまはその場でおひめさまを徹底的におうだしました。


うつくしかったかおは はれあがり、ぜんしんをこっせつして それでもおうじさまのいかりは収まりませんでした。


さいしゅうてきに おうじさまは おひめさまを ようとんじょうに れんこうし、狂暴なのぶたのいるおりに おひめさまをほうりこみました。


おひめさまはのぶたにくいころされたのでした。


よくじつにはおひめさまはうんこになりました。




ことのてんまつは いじょうです。


しかしこのおはなしには いくつかのよだんがあります。


それもしょうかいします。




まずおうじさまがおひめさまをさつがいした行為は、くにのさいばんしょによって「こんかいのけんは おうじさまはじぶんのもつしほうさいばんけんを 行使したけっかであり、まったくもってせいとうな行為である」とにんていされました。


逆におひめさまのほうには、かんつう罪とこうしつぶじょく罪がてきようされ、おひめさまはじぶんのなまえをはくだつされ いこうは「ぶたくそひめ」と呼ぶようにせいていされました。


このおふれはおひめさまの暮らしていたちいさなくににもはきゅうしました。


おうじさまはおおぜいのぐんたいをちいさなくにに引き連れて、このおふれをうけいれるように、おひめさまのりょうしんであるおうさまとおうじょさまに迫りました。


おうさまはそれを受け入れて、「わがむすめは きだいのはじしらずであり、ぶたくそひめと呼ばれることは当然であり、おうじさまにただいなめいわくをかけたことをおわびする」とはつげんし、ちいさなくにのこくみんにも、おひめさまをぶたくそ姫と呼ぶようにさだめました。


さらに、ふたつのくにに広くふきゅうされているしゅうきょうの教会も、おうじさまをしじしました。




ちなみに、いまげんざいはこの二つのくには過去のれきしとなっていますが、げんざいにおいてもおひめさまのめいよはかいふくされていません。


教会も「ぶたくそひめ」と呼んだけんかいをてっかいしたというきろくはいまもそんざいしません。


げんだいのよのなかでは「おひめさまへのしょぐうは あまりにひじんどうてきである」というけんかいをしめす人もいれば、「かんつうはじゅう罪であり、当時のじょうせいをこうりょに入れると、このしょぐうはいたしかたない」とりかいをしめす人もいて、いけんは割れています。




よだんはまだあります。


おひめさまにはいもうとがいたのですが、そのいもうとひめさまは、おうじさまへのおわびとして かれのもとへとつぐことが決まりました。


いもうとひめさまは13さいでおうじさまのおよめさんとなり、ふりんをけいかいしたおうじさまによって、いっしょうおやしきから一歩もがいしゅつできないようになりました。


おひめさまはそのおやしきでこどもを5人しゅっさんし、37さいでなくなりました。


なくなるちょくぜんに、あねを恨むとはつげんしていたそうです。



おうじさま(そのころにはおうさまとなっていましたが)かれはそのあとつまをふたりめとり、かれはしょうがいでこどもを20にん作り、そのうち12にんが大人になり、このこどもたちが、おおきなくにのれきしをひどくこんらんさせることになるのでした。




そしてよだんのさいごとして、おひめさまとふりんをしていたじゅうしゃの男についてもおはなししなければなりません。


男はふりんがはっかくした日につかまりましたが、おうじさまからおうだを受けることはありませんでした。


そのかわりに、ちかろうにれんこうされ、とてもおそろしいけいばつを 受けました。


5ねんかん、しぬこともできずに、そうぞうをぜっするくるしみを受け続けたそうです。


男のしご、そのずかいごつは くにのけいむしょのしょうべんきとして使われました。


そのじつぶつはいまもだいえいはくぶつかんに保管されていますが、てんじされることは決してありません。


おわり。

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